2012/11/20

これまでのお話とヱヴァQ感想

ヱヴァQ見てきたので感想。

一応内容に一切触れず、印象のみでの感想です。予断すら持ちたくないという人は避けてください。
あと毒を吐きます。

先に言っておきますが、エヴァに対しては非常に面倒です、エヴァ以前からオタやってた人間なんてそんなもんです。

というわけでQに行く前にエヴァに対する個人的立ち位置を超簡略で

TV阪リアルタイム視聴
初期 → トップ、ナディアの庵野監督の最新作だ、わっほーい、いいよ、いよーサイコー!!
中期 → やべえ俺たちもしかしていまスゲエ作品に立ち会ってんじゃね?
最終回 → あはははははははははははははは、庵野自爆ゲラゲラ

エヴァ論争勃発 → やべえ超楽しい

Air/まごころを君に → あー完膚無きまでにエヴァは終わったな。エヴァいろいろあったけど楽しかったなあ。

序 → は?リメイク?今更もうエヴァとかどうでもいいよ、見に行かない。庵野は早く新作作れ

破 → なんか絶賛がうるさいから見に行ってやんよ!なんだよ、いつの間にか若者向けのリア充が見るアニメになったのかよ!

という感じでTVシリーズ至上主義者なので、
ヱヴァ新劇場版には基本的にとても冷めてます。
とはいえ破は娯楽として面白かったし、いーんじゃないのかなあ。
前向きなシンジ君もあってもいいのかなあ、それで多くの人たちが楽しめるものになっているのなら、と思っておりました。

で、Qなわけですが、その流れでQもまあ、普通に娯楽作品として楽しむかー、前作では成し得なかった幸せなシンジ君とかも悪くないよねーという感じでいました。

結果

Q → なにこれ予想の斜め上過ぎwwあーでもエヴァってこうだよ、これがエヴァだよね、ゲラゲラ←NEW!

ってなったんだけど、でも冷静になってみると、これってつまらない。
だって過程が違うだけで旧版と同じことを繰り返してるだけなんだもん。
ならリメイクしてまで作り直してる意味ってなんだ?

そしてふと気づいてしまった、自分は、旧版と違う結末を新劇場版に求めているのだと。
 その結末が、シンジ君が幸福になることであるかもしれないという可能性に、苛立ちと期待の両方を抱いていたのだと。

シンジ君が幸せになって、エヴァがリア充向けアニメになる事が、期待していた形であり、同時にそれが、自分にとっては最もダメージがでかいことだったんだと、悟って凹んだ。
見るものに、否、オタクにダメージを与えてこそエヴァではなかったか!
俺たちのエヴァが帰ってきたとか喜んでる場合じゃねえよ。

やっぱりこんなエヴァいらねえ!






な、めんどくさいだろ。

2012/11/12

メカ+美少女+日常=ガルパン・武装神姫 / これが現在のアニメの最先端。

先日ツイッターの方で、エヴァの劇場版放映で盛り上がるTLを横目に、冷やかしを込めてこんなことを、ポロっとつぶやきました。



割とその場の思いつきだったのだけれど、自分の中でこれがヒットして色々現在のアニメ状況を考えるに、真実をついているのではないかと思えて、色々考えてたら面白くなってきたので、ちょっとまとめておこうこうと思います。

初めにエヴァですが、Qの公開も間近に迫って、世間では盛り上がっていますが、正直自分の関心は低いです。
なぜなら自分にとってエヴァは「Air/まごころを、君に」で完結しているから。
「エヴァとか古い」と言ってしまうのは、そういう個人的な思いと世間とのズレからくる苛立ちみたいなもんです。まあそんなことはどうでもいいんですけど。

とはいえ、エヴァって開始が1995年でもう20年近く前。
当時のエヴァは、まあたしかにその時代のアニメの先端だったかもしれないけれど、その実態は、昭和から続くロボットアニメや、特撮を含めたオタク的文脈の総決算をやってみせた作品でもあったと思う。
言ってしまえばエヴァは実に昭和臭い作品なのだ。
なにそんな昭和臭いもんで盛り上がってんだよ!
今は平成、西暦で言えばゼロ年代も終わっちゃってるのよ?
今の時代の先端のアニメを見ようぜ!

ということで、私がいまオススメする、昭和生まれでも楽しめるアニメの最先端な作品は「武装神姫」と「ガールズ&パンツァー」です。

ガールズ&パンツァーと武装神姫
一見して、メカと美少女もの一種、何が新しいのか、と訝しむかも知れない 。
だがメカと美少女という二大要素は、アニメにおいて絶えず描き続けられてきたオタクに受ける鉄板要素であり、それ自体は古い・新しいという類のものではない。

ではなぜ、ガールズ&パンツァーと武装神姫が、先端であり、新しいのか。
 それは、この二作が、ゼロ年代のアニメを席巻した「日常」という要素を作品の重要な柱として据えているからにほかならない。
この二作品に関わっている島田フミカネ氏関連の作品で先に作られたストライクウィッチーズでも、キャラの日常シーンは数多く描かれていたが、敵がいて戦う目的があり、そこにドラマも物語もあった。
こういう作品をさして「日常系」とは言い難い 。
しかし武装神姫は、神姫たちとそのマスターの日常があくまでメインであり、戦闘は完全に添え物であり、敵も存在しなければバトルそのものに大きな目的はない。
ガルパンにおいて戦車で戦うことは、「戦車道」とし一種のスポーツ、部活動の延長として扱われている。
戦車という異物を放り込んではいるが、その体裁はいわゆる学園モノ、部活モノと一緒であり、大枠で言えば日常モノと言えなくもない。
少なくとも深刻な戦闘が存在する非日常に登場人物達は身を置いていない。

 メカと美少女の組み合わせた作品は、「メカ」を美少女に絡ませるための理由を成立させるためにどうしても戦闘、バトルを必要とし、その為の敵と物語を用意する必要があった。
しかしこの思い込みを捨て、メカを戦闘や戦争とは無縁のスポーツやホビーとして捉え、人々の日常の中に普通に存在するものとして扱い世界を構築し、その世界の日常を描いて見せているのが、ガルパンであり武装神姫なのだ 。

メカ+美少女+日常

メカと美少女、その昭和から続く鉄板要素にゼロ年代で獲得した「日常」という新しい要素がここに加わった。
それはゼロ年代を経て、アニメが切り開いた新しい地平であり、まさしく最先端なのではないだろうか。



武装神姫 公式ホームページ|TBSテレビ
http://www.tbs.co.jp/anime/busou/index-j.html

ガールズ&パンツァー(GIRLS und PANZER)|公式サイト
http://girls-und-panzer.jp/

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と、ここまで書いといてなんだけど、うる星や天地無用みたいなのってどうなんだろうなー
あれも、メカ+美少女+日常といえなくもないような、うーん。

2012/11/02

最近のアニメ視聴状況とか雑感とか

夏アニメの感想とか、秋新作とか全然書いてなかったので、まとめて簡単に。

夏アニメで結局最後までちゃんと見たものは、「人類は衰退しました」「ココロコネクト」「DOGDAYS’」のみ。
じょしらく、ゆるゆり、織田信奈はそこそこ見ていた方なのだけれど。
最近は時間とモチベーションに左右されることが多くなって、録りだめてみなくなるパターンが多くなってしまって、いかんなあと思いつつ、同時にこれはそんなに熱心に見ることもないかな、と思えてしまう作品が多い。
そんな中でDOGDAYS’みたいに、視聴体力ゼロで見れる作品は見ているあいだは、楽しいんだけれど、見終わったとに速攻で存在を忘れてしまうのが難点ではあるかなあと。
反面「人類は衰退しました」「ココロコネクト」はお話の方で興味が持続して、毎週楽しみに見ることができたという点で、よかったと思う。

そんな感じで秋新作。

とりあえずイチオシは、「武装神姫」です、えー
武装神姫は見る前は、もう少しバトル中心の美少女メカものを想像してたら、お人形サイズの女の子視点での日常もので、まともにバトルする気なしで、ゆるく気軽の楽しめるという点でとても好み。女の子がお人形サイズという点を生かした演出やシュチュエーションの組立も案外しっかりしている点も地味に評価できる。(ただこれも、視聴体力ゼロで観れるという評価基準で優秀ということになってしまうのなあ。)
次点で「中二病でも恋がしたい」
六花が思いの他かわいいです。性愛の対象というより、自分の娘がこんな痛い言動してたら「うんうん」と生温かい目で見つつ頭を撫で回したくなるような、そんな可愛さ。

その他箇条書きで

・ジャイロゼッター
変形シーンが絶望的に省略されててがっかり、とか、色々100パー満足とはいかないけれど、勇者シリーズに関わってた高松監督がやっているだけに、その頃のテイストがあって、最近のキッズ系のしかもロボットものという意味では十分楽しめるので期待したいかなと。

・アイカツ
奇をてらわない王道なアイドルものという印象、「努力」が割と前面に出ていてるのも好印象。

・ガールズパンツアー
女の子と戦車を楽しむための(以下略)な、ゆるい世界構築で難しく考えずに見れるのがいい

マギは前回の感想で書いてるので割愛。
ヨルムンガンドは一期に続いて面白い。

BTOOOM、ロボティクスノーツ、リトルバスターズ、評価保留しつつ、継続で見ると思われる。
となりの怪物くんは、一話は良かったけれど、その後持続するか怪しい。
注目度高そうなところでは、K、サイコパスは一話ですでに挫折気味
新世界よりはまだ視聴意欲残っているけれど、これこそ視聴体力、集中力、理解力を総動員しないと見るのが、きつくて、録画ためて終わりそうな予感。
その他、一応一話はチェックしたけれど、多分最後まで見ないかなーという感じ。

夏に比べると、初動段階で、視聴意欲が継続しそうな作品が多いかなあと。
あとはそれがどこまでもつかなんだけれど。

参考:
2012年秋季開始の新作アニメ一覧 - GIGAZINE
http://gigazine.net/news/20120901-anime-2012autumn/

2012/10/09

マギ第一話 感想

原作未読。
ただし監督の舛成孝二監督は旧来からの大ファン
という立場での所感、感想となりますので、あしからず。

とりあえずの1話の印象
「おお?普通の少年漫画原作のアニメになってるやん!」
という感じでしょうか。

「宇宙ショーへようこそ」からおよそ2年ぶりの監督作、ほぼ初めてのメジャーな少年漫画原作、
女の子が主人公じゃない等々、ここ10年、舛成監督のオリジナル系メインでたどってきた経歴からすると、異例ずくめの本作が果たしてどうなるか、という部分でもかなり興味がつきなかったのだけれど、案外普通に、上手くこなしてきたなと(上から目線失礼!)

R.O.D<かみちゅ<宇宙ショー とそれまで新作を作るたびに作品の情報量と密度を極限まで高めて、自作のオリジナリティや演出スタイルを確固たるものとして作品にこめて作り上げていたのに対して「マギ」はそれを一旦封印して、原作に必要な演出スタイルにすりあわせてきたのではないのかなと。
そう思うくらい舛成監督個人のカラーは抑制的に思える。
(といっても舛成監督の演出スタイルは、いわゆる個性派監督のそれとは全然違うから差が見えづらいけど)
解りやすいところで言うと、デフォルメや崩し絵が多用されてるのは、最近の舛成作品ではほぼなかったことなので、これも原作のテイストとして残さなくてはならなかった部分なのかなと。

結果出来上がったのは、監督の個性とか関係ない、普通の少年漫画原作モノのアニメ
ある意味舛成監督が大人の仕事をしているとも言えるのかな。

それでも1話の中でアリババの心情を中心に追っていく形で、アクションとドラマが一体となるカタルシスがきっちり一話の中に過分なく収まっているのは、さすが。
特に、奴隷の女の子と自分の立場の差異に対して違いがないことを、アリババが薄々感じて彼女に自分を重ねている様子が丁寧に描写され、そこから彼女が怪物にくわれそうになるところで、彼女を助けるのが他の誰でもなく自身でなければならないと決断するまでの流れは、見てて気持ちよかった。
それを見通すかのように、試すかのように見つめているアラジンは、ちょっと超然とした不思議な存在として浮き上がってきて、それもアラジンというキャラを描く上での狙いなのかと思えて面白かった。

というわけで概ね好感触かな。
事前情報が腐女子人気の高い少年漫画くらいしかなかったので、どうなるかと思いましたが、
美形云々より、夢や冒険や友情やらの王道少年漫画って感じで、話のほうも普通に面白そうで安心しました。
ということで今後が楽しみです。



『マギ』公式サイト
http://www.project-magi.com/

マギ 1 (少年サンデーコミックス)マギ 1 (少年サンデーコミックス)
大高 忍

マギ 9 (少年サンデーコミックス) マギ 6 (少年サンデーコミックス) マギ 8 (少年サンデーコミックス) マギ 2 (少年サンデーコミックス) マギ 3 (少年サンデーコミックス)
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あと、空気読めてないEDに関しては、まあ仕方ない。
一番空気読めてないのは一番上の方にいる金持ってる金のことしか考えてないお偉いさんだろうから叩くならそこね。
双方に不幸なことするなよ。

2012/10/08

12/19 エルフェンリートBD-BOX発売決定!

エルフェンリート Blu-ray BOX
B009LXTE7M

>本編アニメ13話+特別編
>「通り雨にて 或いは、少女はいかにしてその心情に至ったか?」収録!
>発売日:2012年12月19日
>収録時間:約336分
>BD3枚(本編+特典映像)+特典CD1枚

>★3大豪華特典!
>・岡本倫描き下ろし漫画「エルフェンリート特別編」収録!
>・りんしん氏描き下ろしイラストジャケット!
>・オリジナルサウンドトラック!
ということで神戸守監督の傑作、BD発売決定!
特典に岡本倫先生の描き下ろしコミックもついて、お値段もお手頃とか素敵過ぎる。


放映当時、かなり熱を入れて感想とかかいてました
鎌倉に舞台探訪もいったなあ。
この頃は今ほど流行ってなかったけどなー

その頃の記事はこちらに

岡本先生の漫画もエルフェンリート以来追いかけてるけど、アニメ化までは中々行けないでいる。
面白いんだけどなあ

現在連載中の極黒のブリュンヒルデが開き直って、エルフェンリート系のストーリーで再挑戦って感じで、今後が楽しみ。期待しています



極黒のブリュンヒルデ 1 (ヤングジャンプコミックス)
極黒のブリュンヒルデ 1 (ヤングジャンプコミックス)岡本 倫

集英社 2012-05-18
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2012/10/07

シンフォギアライブ2012行ってきた!

10月6日、Zepp DiverCityで行われたシンフォギアライブ2012行って来ました!!

放映終了後高まるシンフォギア熱を抑えきれず、このライブだけは何が何でも行きたかったので、参加できて本当に嬉しかった!
ということで軽く感想&レポです。

現地着がやや遅く16時過ぎに到着、取り敢えず物販行ってみようとしたら既に、物販列が解散させられていた・・・
物販14持開始は遅くないかな~と思っていたら案の定捌ききれなかった模様。
ライブ前に物販買えなかった人続出してたようです。うーん。
周りを見ると物販のTシャツを着ている人より、奈々ライブTシャツ着てる人のほうが目に付くくらい。さすがの奈々勢の多さ。
お台場のガンダムがすぐ側だったのでガンダム眺めつつ入場待機、オールスタンディングライブ初なのでよくわからないけれど、入場なんか手際悪い感じで少しやきもきしたけれど、なんとか入場。

すると場内アナウンスで、奈々さんが風鳴翼で諸注意のアナウンス、ノイズとか絶唱とかシンフォギアネタ満載で場内爆笑w

そしてライブスタート!
1曲目から水樹奈々でSynchrogazer、一気にあったまる会場
そして1曲目終了後、出演者全員舞台にに上がりあいさつ
風鳴司令役の石川 英郎さんと小日向未来役の井口裕香さんが司会進行役。
この時ちょっとしたアクシデントがw
それぞれのキャラソンについてのトークで井口が自分の役のキャラソンのタイトルを間違えて「ひだまり◯◯○◯」といって、あわあわしてしまうという場面が。(正しくはは「陽だまりメモリアル」)
そして事あるごとにおれ歌ないんだよねー、歌イケるんだけどお、とアピールする石川さん、それに応える様に歌ってーと煽る観客。石川さんは女性陣の衣装に負けないためこの日風鳴司令のコスで登場して、観客の石川さんに対するリアクションが良く、司令人気を伺わせる。

そんなこんなで歌パート第一部
.撃槍・ガングニール 立花 響(悠木 碧)
.絶刀・天羽々斬 風鳴 翼(水樹奈々)
魔弓・イチイバル 雪音クリス(高垣彩陽)

の順で披露
この3曲連続は、ヤバイくらいテンション上がりまくり
悠木碧がかなり緊張気味でありながらも、全力で歌っているのがビシビシ感じられて、拙いながらも最高のパフォーマンスを見せてくれる。まさに響といった感じ。
曲の終わりに「翼さん、たおしきれませんでした~」といってはける悠木を引き継いでの奈々さん登場、そして歌い終わると今度は「雪音、あとはたのんだ」と次の高垣彩陽へとバトンタッチ、この二人はライブ慣れしているので、さすがの安定、安心感。
とはいえ高垣彩陽の生は今回初聞きだったんだけど、やっぱり上手い。

三曲終ったところで次に企画ものとして、ジェスチャーゲームのミニコーナー
四字熟語をジェスチャーで表現して当てるというゲームで、井口・悠木コンビと水樹・高垣コンビに分かれて対決。
ここでの見所は難問の「風林火山」をジェスチャーする奈々さんの微妙な動きで、見事正解する彩陽かな。当てられると思わなかったw
あとは「猪突猛進」の碧ちゃんがなんかかわいかった

そして歌パート第二部

FLIGHT FEATHERS 風鳴 翼(水樹奈々)
恋の桶狭間 風鳴 翼(水樹奈々)
私ト云ウ 音響キ ソノ先ニ 立花 響(悠木 碧)
陽だまりメモリア 小日向未来(井口裕香)
繋いだ手だけが紡ぐもの 雪音クリス(高垣彩陽)
Meter Light 高垣彩陽
ついにナマで歌われる恋の桶狭間!これが聞きたかった!!
またも全力の悠木、曲後に多分次の井口へのつなぎでMCが入るであろうところで、息切れなのか何も言えずにはけてしまう、うん、でも仕方ない!
唯一の本編で使われなかった未来のキャラソンで、テンション下がるかと思いきやfuwafuwaのコールが入り原曲よりアイドル曲っぽいイメージになってびっくり
最後は彩陽のEDで締め、この曲は彩陽のダンスがむしろ印象に残ったなあ。

つことでアンコール突入
この時点で歌われてないのがツヴァイウィングの二曲、とりわけ逆光のフリューゲルと最終回の挿入曲FIRST LOVE SONG
どっちが来る!高山みなみはほんとうに来ないのか!!あとあれはまだか!!と思いつつ全力でアンコールを叫ぶ!!

そして!観客のアンコールの声のする中、スクリーンに映像が流される。
そこには

TVアニメ第二期制作決定!!

の文字が!!!

そうだ、これだ!これをこの発表をこの場で見るために来たんだ!!
うおおおおおおおおおおおおお!
一気にレッドゾーンに突入する会場、
そして悠木、水樹、高垣三人によるFIRST LOVE SONGの熱唱、いや絶唱!

本編でも最終回で使われていてとても印象の強い大好きな曲なんだけど、ほんとうにこのFIRST LOVE SONGは最高だった。
曲が終わると三人が悠木を中心に抱き合い、悠木が号泣
あまりのマジ泣きに、こちらもテンションマックスで貰泣きの号泣、碧ちゃーんとおもわず声援をおくらずにはいられなかった、そして井口が持ってきてもらったタオルで悠木の涙を拭ってあげるとか本編さながらのキマシ再現でお腹いっぱいのいいもんをたくさん見せていただきました。

さらにここからまたいろいろトーク
グッスマさんがクリスのねんどろいどの制作を今決めたので発表してくれといって、急遽発表。喜ぶ彩陽。
恋の桶狭間フルバージョン、そしてシリーズで恋の関が原とか欲しい、という水樹。
シンフォギア終わってホッとしたのに二期制作でまた歌練習しなきゃ、シンフォギアのことしか考えられない!とややリップサービスな事を言う悠木。当日主役やってる某超人気作の映画初日公開日だったので、リップサービスでもなんか嬉しかった。
そして今回のライブをまとめるようにいった、「キャラソンは声優の特権」という彩陽の言葉が心に残った。

そして予定を全て終了してライブ終了。

結局、ツヴァイウイング、逆光のフリューゲルはこなかった。
おそらく、ここに来ていた大半の人が低い可能性ながら期待していたとは思う。
自分もその1人なので残念といえば残念ではある。
けれど奏では作中で既に亡き人であり、ツヴァイウィングが今はもう片翼であることを理解するなら、
ライブで歌われないこともまたそれは、ひとつのあり方と思って納得できる事ではないのかなーと思う。

とはいえ最終的には、そんなことはちいさなことと割り切れるほど今回のライブは、シンフォギア好きにとって最高の物だったと思う。
特に悠木碧の頑張りには賞賛を送りたい。技量的にも場数的にも他の二人に劣る彼女のプレッシャーは凄まじかったと思うし、緊張もひとしおだったと思う。
それだけに、ある意味で、今回のライブ本編の主役である悠木碧のパフォーマンスにかかってたと思うのだけれど、その期待に120%答えてくれた。
拙さはあっても、全力の思いののった生の歌声は、やはり人の心を打つ力があるんだな、と実感させてくれた、それだけで十分、いや多分それが今回一番見たかったものだったといっていいかもしれない。
悠木碧の、立花響の歌は、シンフォギアという作品そのものを体現していたのかもしれない、ふとそう思えた。

そして二期政策決定!
圧倒的人気や売上があるわけでもなく、ごく一部から妙に支持されているこの作品。
2012年の作品の中でも特殊なポジションになるであろうこの作品
でもこういう作品だからこその強さというものが絶対にある。
シンフォギアは二期からが本番!そんな気がしています。

そしていつの日かあるであろう次のシンフォギアライブも必ず行ってみせる、そこがイクサバならば!

2012/09/09

幕張なのは2nd A's絶叫上映レポ&感想

9/7にシネプレックス幕張にて行われた、「『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's 』絶叫上映」に行ってまいりました。
http://www.kadokawa-cineplex.co.jp/makuhari/news/detail.php?id=346

1stのシネ・リーブル梅田にて、有志によるオフ会として発祥した絶叫上映。
1stの時に有志主催によるオフ会のみならず、劇場主催、さらには公式主催と幾度か行われ、当時機会があれば行きたいと思いつつ、タイミングに恵まれず断念していたのですが、今回奇跡的に仕事の休みと開催日の都合がうまくかみ合ったったため、初参加することができました。

絶叫上映に関するレポや感想を目にしながらも、実際に現場でどんな風になっているのか、こればっかりは、体験してみないとわからないので、とにかく一度経験してみたかったので、今回参加できて、本当に良かったです。

そんなわけで、軽く当日のレポ&感想を

大体一時間前くらいに劇場に到着、まばらながら既に絶叫上映会参加と思しき方たちがロビーに。
というか、劇場グッズのTシャツ、トート、ストラップを普通に身につけた人がたくさん、さらに奈々&ゆかりんのライブT着用者も多数でわかり易すぎるww
まあ、自分もそのうちの一人なんですがw
ていうか、後から集結してくる人たち殆どがそんな感じで純度の高さにおののく。

開場してやや時間を押して、席がほぼ埋まってから、劇場スタッフから注意事項のアナウンスがあり、いよいよ上映開始。
予告ののコカ・コーラのCMからノリノリの観客たち
本編がはじまるとさらにヒートアップ!
歓声、登場キャラの名前連呼、技名を一緒に叫んだり、それぞれのキャラの魔法光に合わせてリウムをふったり、挿入歌のシーンでは、ほぼライブのノリ。
なのはとフェイトがいちぃちゃしているシーンになると必ず、「ちゅーしろ」「結婚しろ」とヤジがとび、なのフェイが手をつなぐと温かい拍手が沸き起こるあたりにほっこり、ギガウマからアイスの流れのヴィータと登場から食事シーンでのアリシアの人気がすごかった。
あと何かにつけいじられるザフィーラw
ひたすらおっぱいおっぱい言われるシグナム&リィンアインス、カメラにローアングル要求したりとか、俺と代われ!とか変態多数。
また所々に秀逸なツッコミが入れてくる人たちがいて笑ってしまう。
個人的にボケツッコミでツボだったのは、はやてがトラックにひかれそうになったあとにヴォルケンたちと邂逅するシーンで、はやてが画面のしたにフェードアウトしていくところでの
「はやてちゃん、ボッシュート!」
確かにいわれるとそう見えるww
あと、リニスの「明日は嵐かもしれません」に対して、「それは困る、明日ライブだから!」
翌日すぐそばにある千葉QVCマリンフィールドで行われる水樹奈々ライブがあるという、この日この時でないと成立しない切り返しは見事すぎるww
最後は主題歌のブライトストリームをリウムを振って合唱。
上映終了後、全員で三本締めをして解散へ。最後までどこかのライブのようなノリでした。

自分はライブに行き慣れているおかげで、会場のノリに割とすぐのれてとても楽しめました。
正直なところ、本家の梅田の絶叫オフほどではないのかなあ、自分みたいな初参加組ばかりで、盛り上がんなかったらどうするよ?とか一抹の不安も抱いていたのですが、そんなことはなかった。
むしろ、本家の絶叫オフはこれ以上なのか!?と考えると恐ろしいものがあります。

参加してみての感想ですが、予想以上に楽しかったし面白かった!
既に複数回見にいったいて、実際上映中に心の中で叫んでいることを実際に声に出せるのは予想以上に気持ちいい。
ACSのところでなのはが突貫するところで「いけええええええええええ」と毎回心の中で叫んでいたのを全力で叫べて本当に気持ちよかったw
機会があればまた行きたいですね。

あと一つ驚いたというか、とても感心したのは、上映開始のアナウンスがはじまるまで、みんな、非常にマナーよく、静かに待っており、上映中も注意事項に反したり、迷惑行為をするような人が全くと言っていいほどいなかったこと。
他の上映会でも基本同じなのだろうと思うけど、こういうイベントだからこそマナーを守った上で、盛り上がることが重要で、だからこそ、こうして、絶叫上映会が継続して、開催されているのであって、主催してくださる劇場側にとっても我々にとっても有益で、これはとてもたいせつなことだなあと。

うん、いや今回参加してみて改めて思うけれど、リリカルなのはのファンは本当によく訓練されたいいお客さんたちばかりだなあと感心するとともに、少し誇らしく思いました。

2012/09/06

高町なのはの正義、戦う動機とは

↓こちらの記事、高町なのはの正義、戦う動機についての問題がよくまとめられてて関心

高町なのはの真実 ~The MOVIE 2nd A'sに描かれないもの~ - くろうのだらオタ日記

自分は、なのはの動機が明瞭に描かれないことに、いくばくかの不満と、もどかしさを感じていたのだけれど、あえて描かれない事で、逆に、なのはという存在の「正義」あるいはヒーローとしての「神秘性」を担保しているという視点にはなるほど、と思った。

確かに「高町なのは」というキャラは、捉えづらい。何故そうまでして戦うのか、あんなに絶望的な戦いの中で心が折れないのか、不明瞭であるからこそ、そこに対する興味、関心が尽きないとも言えるし、なのはというキャラをなのはたらしめているとも言えるかもしない。


>なのはとフェイトの動機は、実はかなり明確だ。彼女達は、互いに認め合いたいがために、その存在の意味を、つまり正義を証明する場を強く望んでいた。

これはちょっと、自分が気づかなかった点で、読んでどきっとした。

闇の書事件の戦いにおいて。二人が互いを認め合うこととともに、なのは自身は、自分が手にした魔法、正義を行使する力の存在が、より確かなものであることを証明する場所を欲しいていて、それを得たのであり、フェイトは、フェイトで欠落した自らの存在が、周囲の人たちや、世界に必要とされるものであることを、証明したかったということだろうか。
こう解釈すると、無関係の事件になのはとフェイトが首を突っ込んでいく動機としては、確かにしっくりくる。
言動が子供離れしている二人だけれど、こういう自己顕示欲、純粋さとエゴの紙一重から発する「正義」という意味では、年相応の子供らしさではあるなあ、と。

ちなみになのはの動機に関しては、1stのコミック版で、かなり深いところが描かれてはいるのだけれど、この辺を踏まえて、映画第三弾で、高町なのはの物語をオリジナルエピソードで描いて欲しいなあ、というのが個人的な希望だったりします。


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2012/08/05

リリカルなのは2ndA's感想追記

イロイロ気になったので、なのはA’sのTV版を確認のため10話から13話まで見なおしてみた。

劇場版との違いとして、アクションシーンがパワーアップしているのは当然のことなので、そう驚きはしないのだけれど、ドラマ、ストーリー部分で、交わしている会話の内容や流れはほぼ同じなのに、キャラの情感、解釈の仕方に深みが増していることに驚く。
特に夢の中でのフェイトとアリシアのシーンと、はやてとリィンフォースの別れのシーンは、かなり違うものになっている。

中でも、TV版と劇場版で、多分一番違うのは、「闇の書の意志」としての小林沙苗の演技だろう。
TV版だとキャラ自体の目にハイライトがなく、無感情、無機質な面が強調されていて、小林沙苗の演技も、感情を抑制したものになっている。
これが劇場版だと、「悲しい運命を背負ったもの」としてちゃんと感情のあるキャラとして描写れていて、演技もそれにそっている感じ。
これはTV版だと一緒くただった闇の書の意志と防衛プログラムが、劇場版でナハトヴァールとして最初から分離されているせいでもあるだろう。
それを踏まえてのはやてとリィンフォースの別れのシーンでの小林沙苗の演技が、TV版と比べて、はやてに対する慈愛と温かみに満ちたものに変わっている。

特にはやてとリインフォースの別れのシーンはTV版を見なおしてみて、え?こんなにあっさりしてたっけ?と思うくらい見せ方が違う。
TV初見で見た時ですらめちゃめちゃ泣いたシーンであるはずなのに、それが見劣りしてしまう。
これは、むしろ劇場版が、自分の中で美化された記憶の中での名シーンをそのまま再現してくれていたということなのだろう。
それ故にあまりに自然で、TV版と比較してみるまで、その差、違いを認識することができなかった。
改めて、劇場版2ndA'sのパワーアップリメイクの凄さを実感した次第であります。


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2012/07/27

なのはTheMOVIE 3rdへの期待

初動で前作の二倍の興収、記録的な物販の売上と好調過ぎるスタートを切ったなのは2ndA's
弥が上にも、映画第三弾、3rcへの期待が高まるのはファンとして当然なのではないかと思います。

そんなわけで、ちょっと気が早いかもしれませんが、なのは3rdへの期待することをつらつらと書きつつ「リリカルなのは」という作品について考えてみようかなと思います。

(※一応2ndA’sのネタバレ含みますので注意)

シリーズを全て見ているファンならば2ndA'sのエピローグに驚いたのではないかと思う。
TV版のエピローグでは中学生になっていたなのは達が、2ndA'sでは事件から二年後、まだ小学生、というところで終わるという変更がなされていて、これが意味するところに、ファンなればこそイロイロな想像を巡らし、期待をいだいてしまうのではないだろうか。

少なくとも自分は、「3rdは小学生で新規オリジナルエピソードか!?」と、とっさに思いました。
これはもう完全に自分の願望そのままなのですが、エピローグで小学生時代で止めたことでその可能性は十分考えられるのではないかということです。
と、いっても中学生でおわったTV版が、中学生編をかかずにStSに行ってしまったことを考えると、やや予想を外して中学生編かもしれない。
もちろん3rdがStSのリメイクになるという線もないとはいえないが、尺的な問題で、単純にStSを映画化するというのは、ちょっと考えづらいが、それを期待するファンも少なくないだろう。
どの時系列で何をやるのか、3rdに関しては、現状まったく未知といっていい、そもそもあると決まったわけでもないし。
ただ、個人的な願望を言えば、そろそろリメイクではなく、完全新作の話が見たい、というのが正直なところだ。
そして、できるなら小学生編の新エピソードが見たい。
エピソード的にはリィンフォースⅡの誕生編や、はやて&ヴォルケンズの集団コンビネーションによる戦闘とか、アニメ本編で実はやっっていないことが案外あるので、そういったものも見てみたいし、何より小学生ななのフェイのいちゃいちゃはもっとみたいじゃないですかー

また別の側面から、今回と前作の劇場版二作からどうしても抜け落ちてしまったものとして、やはり「高町なのは」の物語が見たい。
1stがフェイトの物語、2ndがはやてとリィンフォースを中心とした八神家の物語として重点的に描かれた一方で、主人公であるはずの高町なのはの存在が希薄になってしまった感が否めない。
特に2ndA'sでは主人公であるにもかかわらず、ほぼ戦闘要員で、ドラマにほとんど関わっていない。
TV版では、一応なのはが将来に悩みや不安を抱えていて、魔法という力、才能を手に入れることで、自分の道を選ぶようになっていく過程が描かれている。
けれど劇場版では、そこはほぼ省略されてしまっていて、劇場版だけを見ていると「高町なのは」がなぜ戦うのか、なぜ魔法という力を振るうことを厭わないのか、彼女の動機がすっぽり抜け落ちてしまっている。
またTV版A’sでは、なのはが管理局の仕事を続けることで、自分の将来を選択して終わっているのに対し、劇場版ではそのあたりはあいまいにぼかされている。
だからこそ仮に3rdを作るならば、やらなければならないことは、やはり「高町なのは」を中心とした、高町なのはの物語なのではないだろうか。
また、フェイト、はやての両者の家族についてそれぞれ描かれているのに対し、なのはの家族についてはほとんど触れられていない。なのはの物語、戦う動機を描くためには避けて通れないところであると思うし、突っ込んで欲しいところではあるのだけれど、なのはの家族について触れると、とらハに手を突っ込むことになるので、そこは難しいのかもしれない。


どちらにせよ、3rdで「高町なのはの物語」を描いてこそ、劇場版なのは三部作小学生編として完結するのではないか。三部作とか超カッコよくね?
そして次は中学生編、StSと続くわけですよ、もちろんどこかでなのは撃墜のエピソードもやったりして、夢は広がるじゃないですかー

と妄想混じりに3rdに対する期待、見せてほしいものを好き勝手に描いてみましたが、ファンとしてリリカルなのはを長いこと追い続けていることの理由の一つに、作品の持っているポテンシャルに対して、まだ見たいものを全部見せてもらってない、もっと見たいものがあるのに、もっと見せて欲しい、という思い、というか欲望があり、それが未だに満たされていないから、というのがあると思う。個人的な見解ではあるけれど、それがなのはファンの熱意、作品に対する忠誠心の原動力のひとつになっているのかもしれない。

コンテンツとして既にTVシリーズから8年、このペースなら間違い無く10年は続くシリーズとなることは確実。
よくまあほんとに続いたとは思うけれど、正直まだまだ「リリカルなのは」は続いて欲しい、続けて欲しいのだ。

追記。

コンプエースではじまった、ソーシャルゲームの漫画版となる「なのはINNOCENT」読んだ。
本編とは違う、新設定、新世界観の小学生なのはたちの物語ということで、これはこれでありかなーと、けっこう楽しみにしています。
紫天一家や、報われなかったキャラたちが平和に生きて暮らしている世界にちょっとほっこり。



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2012/07/24

おおかみこどもの雨と雪 感想(ネタバレ有り)

見てきました。
この感想は基本、細田守監督作品としてどうか、ということに主軸を置いていることを前提としたものになりますのであしからず。

最初から結論。

やっと、細田守監督のの本気を見れた気がする。
これを本気と言わないのはさすがに失礼だろ。

です。

非常に個人的かつ主観的な見解で申し訳ないのだけれど、デジモンで細田監督の作品にほれて以降作品を追いかけていく中で、正直近作の「時かけ」「サマーウォーズ」の二本に対して、細田監督の本気、全力を感じられず、非常に不満を感じていました。どこが?と問われてもそこは非常に主観的で感覚的なものなので説明はしづらいが、少なくとも「サマーウォーズ」は「ぼくらのウォーゲーム」の劣化リメイクでしかないと思えず、非常に評価が低かった。
それでも二作とも世間での評判は高く、成功もしていたので、細田監督がメジャーになるためにそういう計算の上で作品を組み立てたのかなあ、と納得していました。

その上で、そろそろ細田監督の本気が見たいよねえ、今回は完全新規オリジナルだし期待できるかなあ、という気持ちで臨んだのが「おおかみこども」だったわけですが、その結果が先の結論となります。



以下ネタバレを含みつつの具体的な感想です。

見る前の予告等の印象から、ファミリー向け、子供向けの印象を持っていたのだけれど、これが予想に反してハードというか生々しさのあるものになっていて、そこでひとついい意味で裏切られた。
同様に設定から勝手に現代を舞台にしたおとぎ話かファンタジーっぽいものを想像していたのだけれどこれも違った。
出会いから出産、子育てまで順繰りに時間経過を追っていく形で話が展開で、前半は、狼男のこどもを身ごもったら、どうなるというのをSF的な理詰めで、助産院や児童相談所、病院、公園でのことをどうするか、といったことが生々しく描写される。
きわめつけなのが、セックスシーンと本能のままに狩りをしてしまい事故で死んでしまったお父さんの狼姿の死体が運ばれていくシーン。
描写的にも省略して説明できるものをわざわざ描いて見せているところが多く逃げていない。
これらのちょっと生々しい嫌な描写は、ある意味で「ファミリー向け」であることを拒否してしまう危険性をはらんでいる。
しかし、これらの描写が不要なものなのかというと、そういうわけでなく後半、田舎に移り住み子供が育っていった結果、二人が狼として生きるか人間としていきるかの分かれ目に意味と重さを与えている。

やや重苦しい都会での描写を抜けて、田舎に移り住んでからは、開放感もあり楽しい描写も増えるけれど、田舎暮らしと子育てのの大変さが描かれ、淡々とした時間経過の中で子供の成長が描かれていく。
気の強いお姉ちゃんの雪が、成長して学校に通いだし、クラスの男の子との事件とそれ以降の交流をきっかけに次第に人間であることを選択行くのに対し、おとなしく最初田舎にも馴染めなかった弟の雨が、学校に馴染めず、次第に山へ入るようになり、狼としして生きていくことを選択していくのは、意外さもあり、面白かった。

そして、狼として生きることを選び母親に背を向けて行こうとする雨に対して花が叫ぶ台詞
「まだ何もしてあげられていない!」
人間年齢にして10歳くらい、早すぎる親離れとはいえ、母親としてあれだけ苦労してっ頑張って愛情を注いできたのに、そんなはずないだろ!と心の中で突っ込みで否定しつつこのシーンで涙腺決壊。
それまでが淡々とした描写の積み重ねでドラマ的な山が少なかった分ここでのクライマックスはくるものがあった。」同時に、花の母親としての愛情の重さ、背負ってしまったものの過酷さ、孤独さ、それに比してそれを苦労と思わず泣き言をいわず、ここまで生きてきた花の強さにやられてしまった。

正直この映画は、どういう層にどの様に受け止められるか、想像できない。
未婚、既婚、子育て経験有るなし、年齢、性別で受け止め方は多分多様なものになると思う。
それだけ受けての受け止め方に任された映画になっているのではないかと思う。
自分はいい年して未婚だし、しがないアニオタなので、この映画を見た後に感じるのは、ウチのカーチャンもきっと俺で苦労したんだろうな、ゴメンなぁというやや気まずい気持ちにさせられる程度ではあるのだけれど。

一緒に見に行った友人の評で、散文的でやや退屈だったといった趣旨のことを言われて、自分はそうか?と思いつつ、確かに全体を通してみると長さの割に物語としては起伏のないドラマの薄いものになってはいるので、エンタ性にかけると言われればそうかもしれない。
「時かけ」「サマーウォーズ」がエンタ性やメジャー性にに気を使った作品だったのに比して、今作が、そこで稼いだ観客や評価を一旦捨てにきている。
かと言ってテーマや内容が狭いマニアックなものになっているわけではなく、より一般向けなものになっていて、メジャーに向けた顔と細田監督の本気具合とがいい具合にバランスのとれた作品になっているのではないかと思う。
この作品に関しては、自分の評価よりも細田守監督の真価が今後どう問われていくかの分岐点になりそうで、そういうい意味でどう評価されていくか楽しみでもあります。



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2012/07/23

魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's 感想(ネタバレあり)

現時点で通算7回見ての感想となります。

今回の劇場版2ndA'sはTVシリーズ二期を元にしたパワーアップリメイクということで、ただでさえ密度の濃いA'sをどう再構成するか、というのがひとつのポイントだったと思うのだけど、これが非常に上手くクリアできていた。

TV版第一話で、名シーンとして人気の高いフェイトの「友だちだ!」のシーンを全く違うものに変更してしまう大胆さで、ここはかなり勇気のいる決断だったのではないかと思う。
またグレアム提督とネコ姉妹のカットは事前にアナウンスされていたので、かわりにその役割を闇の書と因縁のあるリンディ提督が担うことは想定の範囲内だった。
けれど、劇場公開まで完全に秘匿されていた、闇の書の闇、自動防衛プログラムに「ナハトヴァール」という名前と形を与えて、諸悪の根源として明確な存在として登場させたのは、正直驚いた。
この二点の大幅な変更で、ストーリがかなり圧縮されながらも、大筋ではTVと同じ展開になるというアクロバティックなことをやってのけたのにはちょっと感心した。

もちろんTV版から削られた部分や薄くなってしまった部分というのもけっこうある。
個人的に好きなレイジングハートとなのはの熱いやり取りが、ほとんどカットされていた。
また名台詞の「悪魔でいいよ」はセリフは残っていたものの、そこまでのなのはVSヴィータの積み重ねが弱まっていてヴィータの絶望感が足りず、薄味になってしまっている。
他にも変更点、カットされた部分での不満というのはあることにはあるのだけれど、実際にはそれほど気にはなっていない。
というのも、今回の2ndA'sが、はやてとリィンフォースⅠの物語としてTV版より、深く濃密に描かれていて、これはもう完全にはやてとリィンⅠの映画として見るべきもの、と理解できるというか、映画を見ていると完全に気持ちをそっちに持っていかれる仕様になっているといったほうがいいのかもしれない。

そして上映時間150分という長尺ながら、実際にその長さを感じることは殆ど無いし、ダレたり飽きたりすることが殆ど無い。
一日5回連続で見てきた自分が言うんだから間違いない(キリッ
見応えのあるバトルと泣かせるドラマ、キャラたちの熱いセリフの数々が交互にやってきて見ているこっちの感情を休ませることなく、ガンガン揺さぶってくる。
特に後半、ナハトヴァールが起動し侵食されたリィンとの戦闘に突入してからが怒涛過ぎる展開で、本当に「濃い」の一言。
見所が盛り沢山過ぎて書ききれないので以下ちょっと箇条書きで

・なのはフェイトのコンビネーションで戦うも圧倒的な強さで歯が立たない。チェーンバインドで地面にたたきつけられるなのフェイのシーンが迫力あっていい。
・フェイト闇の書に吸収、フェイト闇の書の中の夢でアリシアと出会う。やさしいプレシアに戸惑うフェイト、アリシアとの会話、フェイトの決意とそれを送り出すアリシアの思い、別れの一連のシーンの切なさ。アリシアがやたら可愛くかけていて、水樹奈々の思い入れたっぷりの演技で泣ける泣ける。
・外で単騎でリインと渡り合うなのは、渾身ACS、TV版でも一番好きな戦闘シーンが大迫力で見れて満足。
・ACSを防がれ、いよいよピンチのなのは、チェーンバインドでぐるぐる回されて吊るされ(ここの作画がまたいい!)、さらに上からでっかいドリルが振り下ろされる!これがTVにはないシュチュエーションで、最初見たときは、めちゃくちゃ興奮した、絶望感もすごい!
・そして、そこに闇の書の夢から脱出したフェイト王子が白マントでさっそうと現れて、なのはを救出!かっこいい!燃える!最高のカタルシス!ここもTV版からの変更で、映画冒頭でなのはを救えなかったフェイトが、そのリベンジをするという気持ちよさ!
・そしてナハトヴァールをリィンから切り離すためにN&F中距離殲滅コンビネーション・ブラストカラミティ!なのはとフェイトのコンビネーション魔法として長谷川版コミックにのみ登場していた技がまさかの、ここで!これが見れると思っていなかったので、驚くとともに超絶嬉しくて、テンション上がった、これだ!これが見たかったんだ!!
・リインフォースとはやて、はやての名前を挙げる超絶名シーン、泣ける。
・そしてSnowRain、もう泣く、泣くしかない。
・「行こか、リインフォース」「はい、わが主」
与えられた名前を呼ばれそれに応えるリィン、そのリイの柔らかで幸福そうなほほ笑み、泣ける!
・はやてとリィンフォース、ユニゾン。最初で最後のユニゾン。TV版ではリィンは、いっしょに変身しないしバリアジャケットも姿も初、新規のもので、変身後のキメの一枚絵でリインとはやてが並び立ってるのを見て感慨深くて切なくなる。泣ける。
・さらにここから切り離されたナハトヴァール暴走で、TV版のフルボッコシーン突入。TV版と違って名乗り&必殺技放っておしまいではなく、コンビネーションを駆使したアクションとナハトさんの頑張りですごいことに。お約束の水樹奈々挿入歌がかぶるものの絵の迫力にやや歌が負けてしまった印象。
・アクションのクライマックス終了、そしてはやてとリィンの別れ。
はやての持つ母性がリインや守護騎士達を不幸な宿命から開放させた一方で、ここでのはやては、リィンと別れたくない、いっしょにいたいという子供らしいわがままで「駄々っ子」になっている。
それをやさしく慈愛に満ちた眼差しで諭すリィン。
「わが主」
この言葉にリィンフォースのはやてに対する深く複雑な愛情と思いがにじみ出ている。
はやての思い、リィンの思い、それぞれが相手を思う気持ち、叶わぬ願い、幾つもの複雑な感情が交じり合い溶け合う最高の名シーン、泣いてもいいんだよ?
・そしてエピローグへ

後半の重要なとこだけ抜き出してもこんだけあって、さらにヴォルケンズの各シーン、なのフェイのラブラブシーンとか書きだすとキリがないのでこの辺で。

総じてアクションシーンは1stよりバリエーション豊富でかなり見応えがある(ヴィータのラケーテンとかすごい)
もう一方でアクションにやや隠れがちだけれど、ちょっとした気の利いた芝居作画が随所にあってキャラの感情描写、泣けるドラマをひとつ上に引き上げている点も見逃せない。
1stも同様なんだけど、とにかく映画として劇場で見るに足るクオリティと中身に仕上がっている。
最近深夜系アニメの映画化が、時代の流れとして定着しつつあるけれど、短期決戦的な作りではなく、ここまで贅沢に、じっくり時間をかけて「映画」を作ってるものはそうそうないんじゃないかなあと思います。さすがに二年半かかっただけのことはある。

もうとにかく滿足、不満な点を挙げることもできるけどそんな野暮なことはもうしたくない。
これ以上望んだらバチあたるって、と思う位今回の映画には満足しております。


エピローグ以降に関して、あと3rdに対する期待についてまだ書きたいことがあるのですが、それはまた次にします。

取り敢えずスタッフの皆様ありがとうございます、ご苦労様でした!
末永くこれからもなのはシリーズをよろしくお願いします。
ファンはまだまだついてくで?


関連

魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's 公式サイト
http://nanoha.com/index.html

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ED&主題歌。映画見て歌詞を噛み締めると、また泣けるんだよな、これが。
つうか発売はよ!

2012/07/21

なのはの興収と物販が・・・

「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A’s」物販の売上が興行収入を上回るwww

魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd As』物販の売上げが興収を上回る模様

いろいろおかしいだろww
つうか初めてめてきいたわ、こんなの

興収が1.5億、更にそれを上回る物販
合わせると前回の最終興行成績を上回る結果
前回の新宿ミラノの初日グッズ売り上げも二倍弱で自身の日本記録更新とか
(正直ミラノは販売方法と列さばきをもっとしっかりすれば、もっといけたんじゃないかとすら思えるくらいだけどね)

にしても、なのは完売恐ろしい。

実際、20日にまた地元の劇場に見に行ってきたのですが、人の入りも良かったし
前回は根こそぎ店頭からなくなっていたグッズもある程度潤沢に置いててあったしで
前回、グッズ販売で甘く見すぎて機会損失していた分を、今回は学習して挽回できた
た、とも言えるのかも。

前回は、リピートポイント・カードすらなくなるくらい酷かったけど、今回はそっちも余裕あるしね。

前回を上回る好調な滑り出しで、最終的な興収がどこまで伸ばせるか、楽しみになって来ました。

2012/07/16

なのは2ndA's初日行ってきた

先日14日、魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's の新宿初日舞台挨拶へいって参りました。

ひとまず本編の感想をネタバレ無しでざっくりと。
ネタバレ感想はあと数回見たら、また書きたいと思います。

一言で言うと「濃い」
150分問という長尺の中にアクションの見せ場も、ドラマで泣かせるポイントも、何箇所も用意されていて、それがどれも濃密に描かれていて、それが交互に連続で押し寄せてくる、一本の映画にここまで詰め込むか、というくらい濃度が高い。
TVシリーズ二期A'sのリメイクということもあり、圧縮がかなりかけられていながら、TVシリーズで起きた事象はそのままで起き方や手順が変わっているので、TV版をよく知っていても、というか知っている方が、「おお、そうきたか」と思う部分もあり、上手くやったなあ、とかなり関心されられた。
それでいてリィンフォース絡みの描写は増えていたり、TVにはなかった新しいバトルの見せ場もありで、見たいものが見れて、大満足。
当初はあのA'sをどうまとめるのか、不安要素も多かったけっれど、TVとは別の形のA'sの物語としての完成度は十分高いのではないかと思う。

あと見所としては、水樹奈々と植田佳奈に泣きの演技ではないかと。

まだいろいろとあるけれど、これ以上は書くとネタバレになるのでまた後日。


さてそれはさておき今回の反省。
物販なるべく早く行って終わらせたい!とは思っていたものの残酷なのは戦争はやはり甘くなかった。
上映開始時間直前まで、列抜けるか否か苦悩の結果、あと少しでレジというポジションで、断腸の思いで物販を優先、結果初回は頭の30分を見れずに途中から見るという事になってしまった。
自分としてもあるまじきことであることは、百も承知での決断だったのだけれど、作品を真摯に作ってくださったスタッフには本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
でも、あそこで物販を諦めたら、のろいうさぎは手に入らなかったんだ。仕方なかったんだorz
結局、ちゃんと見れたのは2回目から。
正直ちゃんと見なかったことを激しく後悔することになるのですが・・・あと最低10回は見に行くので許して下さい。

ということで今回の残酷なのは戦争は、完全勝利とは行かなかった。
なんか、毎回なのは戦争は過酷さを増していくんですが、どうなってるんですか。
客の練度の高さに比べて、劇場側が素人レベルで正直困るくらいなんですけど
まあ、それはまた別の話。




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2012/07/09

最終回までみたアニメ感想

恒例最終回までたどり着いたアニメ感想まとめて。

・Fate/ZERO

Fateシリーズは結局stay nightのTV版しか見てなくて、それの印象が実はあまり良くない。
なのでZEROも序盤だけ見たら、投げちゃうかもなあと思いつつ見始めたんだけど、なんだかんだで二期2クール分、最後まで楽しんで見れた。
主に一期目のキャスター組とライダー組が魅力的で、キャスター組討伐が最高に盛り上がって面白かったのと、ライダーとウエイバーの親子関係のようなやり取りは、微笑ましくもあり、あまり好きではないセイバーに説教するライダーとか、かっこよすぎて、もう主人公はライダー組でよくね?と思いながら見ていました。
あとはstay nightでよくわかってなかった人物相関がクリアになって、Fateシリーズの理解に役立ったというか、士郎がどうしてああいうキャラだったのか切嗣の存在で理解できてモヤモヤしてた部分がすっきりできたのもまあ良かった。

あとは、このシリーズは虚淵そして、ufotableとあおきえい監督の力を見せつける作品でもあったなあ、と思いました。

・モーレツ海賊

序盤のスロースタートで、ちょっと飽きそうになったのを超えてからは、毎週楽しく見れた。
久しぶりのかっちりしつつも女の子成分多めのスペオペということで、おっさん人気が高かっという印象。
ただ自分の好みから言うと、全体が緊張感にかけるというか。
茉莉香の性格が、決断力があるというより、お気楽過ぎるという風に映ってしまった。

うん、まあそこも含めて、間違いなく佐藤竜雄監督のテイストを持った作品だったなあ、とは思うのだけど。


・咲 阿知賀編

散々言われているだろうけど、県大会予選をもっとちゃんと描いて欲しかった。
阿知賀が、全国大会準決勝まで、まともに戦ったり苦戦したりという、何かを乗り超えて強くなった、ライバルを倒して全国まで這い上がってきた、という描写が全く無いので、阿知賀が全く強く見ないし、なんで全国いるの?という印象しか与えないのは、非常にマイナスとしか言いようがない。

咲の本編との絡みで生まれた企画的な意味合いが大きい作品なので、物語的な都合で、ツメが甘くなってしまったのかもしれないけれど、第一話の少年漫画的な燃えるシュチュエーションからのスタートを考えるとやっぱりガッカリ感が拭えない。

とはいえ準決勝第一試合は千里山の園城寺さんとすばら先輩のおかげで、非常に咲らしいいい試合になって十分おもしろかったのだけど。特にすばら先輩がかっこよかった。

・ヨルムンガンド

ヨナくんがかわいかった。
ココにかいぐりかいぐりされるヨナくんを見るだけで幸せになれる。
もうそれだけで十分。

・這いよれニャル子さん

お気楽に見れるコメディとして、申し分ない気楽さ、軽さ
毎回こういうのが一本あるといいよね。

・アクエリオンEVOL

前作もそうだったけど、面白いと思いつつノリについていけないなあと、思ってしまう。
個人的には本筋のメインキャラの話よりミックスとアンディのカップルが好きだった、途中からアンディ応援する為に見ていたようなもの。
ただそれだけに、ミックスとアンディの合体をちゃんとかかなかったのかもうそれだけが残念というか、不満でしょうがない。

2012/06/26

アイマス7thライブ行ってきた

6/23、24の二日間横浜アリーナで開催された、
アイマス7周年記念ライブ「THE IDOLM@STER 7th ANNIVERSARY 765PRO ALLSTARS みんなといっしょに!」
に両日、参加してきました、
前回参加できたライブが2011年の1月に行われたパシフィコ横浜 NEW YE@R P@RTYだったので約一年半ぶりのアイマスライブ、そしてなんといっても今回765PROアイドル(プラス音無小鳥さん)の声優陣がフルメンバー全員が揃うという、特別なイベントということで始まる前から気合入りまくり、期待しまくりのライブで、そのお祭り感、高揚感が半端なく、もう、兎にも角にも全公演通して、楽しく、幸福で充実したライブでした。

横浜アリーナという大きな会場、しかもアニメ放映後の効果でライブ初心者も多数参加していたであろうライブでもあるにもかかわらず、会場の熱気、盛り上がりはそれを微塵も感じさせない一体感で、初っ端なのREADY!! とCHANGE!!!!からサイリウムもコールもほぼ完璧で、そこは自分の想像を超えていた。
自分REAT@RTもほとんど完璧なアニメ13話再現で、大感動。
そして念願だったライブで竜宮小町の声優陣で再現されたSMOKY THRILLが聞けたことや、選曲として歌って欲しいけど、難しいかなあと思っていた、釘宮理恵さんのソロでDAIAMONDが聞けたのはほんとうに嬉しかった。
それとライブでは乙女よ大志を抱けみたいな元気系の曲を歌うことが多い中村繪里子さんだけど今回はソロで、ミディアムナンバーの「さよならをありがとう」を歌ってくれてこれもすごく嬉しかった。
天海春香曲には、ミドルテンポで歌詞がグッと来る名曲が多くてすきなんだよなあ。
後レアなところでは音無小鳥さんの曲で滝田樹里さんが歌ってくれった「光」とかもすごく良かった。

二日目は席が丁字に伸びた花道の左サイドが間近に見える位置で演者さんたちを見ることが出来たのだけれど、そこでのレアシーンとして、アンコールのREADY!!の時に釘宮理恵さんと浅倉杏美さんが仲良く手をつないで楽しそうに歌っている姿にほっこりしてしまった。あと同じREADYで中村繪里子さんがハッスルしまくりで他の演者さんが振付を守っている中で一人自由にノリノリのパフォーマンスしていて、心の中でツッコミを入れつつそんな中村先生が可愛くてしょうがなかった。

アンコール前のラス曲が、アニメ最終話のエンディングで使われた「いっしょ」だったんだけど、もうここは感動で完全に泣いてた。曲の歌詞が今回のライブのテーマぞのものだし、出演者。スタッフ、ファンプロデユーサー含めて成り立つライブ全てを象徴するような曲で7周年を締めくくるとか、ほんと出来すぎなくらい。
「いっしょ」て曲はアニメで使われるまで、じつはあまりライブで日の目も見ることのない曲だったんだけど、みんなで歌える曲として今後も定着していきそう。この曲を引き上げたアニメの功績抜きには今回のライブはやはり語れないよなあと。
そんなこんなで、7周年のライブ、7年かけてここまで大きな会場でのライブを大盛況のなか成功を収めることが出来て、アイマスというコンテンツの人気、勢いを強く実感出来た。
今回のライブはアニメの成功が後押しになって、新規参入のファンの存在が大きく影響したと見ることもできるけれど、それまで7年間続けてきたコンテンツとしての基礎票を支える息の長いファンの存在も無視できないと思う。特にいろいろな方面から伝え聞くのだけれど、「プロデューサー」を自称するファン同士の交流、活動が活発で、コミュニティが広く形成されていることの強みは計り知れないと思う。
毎期ごとに入れ替わるTVアニメの突発的なブームや流行ではファンの存在は短期的で流動的なものにならざるを得ず、対照的だよなあと感じずにはいられないのでした。

今後の展開も発表されて、坂上Pから10年、20年続けていきたいという力強い言葉も頂いて、アイマスはまだまだ続く!ということで、今後も楽しみです。


関連・参考記事

・4Gamer.net ― アイマス7周年記念ライブ「THE IDOLM@STER 7th ANNIVERSARY 765PRO ALLSTARS みんなといっしょに!」開催。新作タイトルや,今後の展開なども発表されたライブの模様をレポート
http://www.4gamer.net/games/137/G013714/20120625018/
50歳を超えてなお魅了されるアイマスライブの世界、胸熱すな。

・“THE IDOLM@STER 7th ANNIVERSARY 765PRO ALLSTARS みんなといっしょに!”ライブビューイングリポート - ファミ通.com
http://www.famitsu.com/news/201206/25016887.html
ライブビューイングも大盛況だったみたいです、すげえな。

・4Gamer.net ― バンダイナムコゲームス,「アイドルマスター シャイニーフェスタ」の最新情報とプロモーションムービーを公開。各バージョンに,それぞれ展開の異なる新作アニメを収録
http://www.4gamer.net/games/171/G017161/20120624001/
新作ゲームはリズムゲーで3本別売り、しかもそれぞTVアニメと同じスタッフで新作アニメも収録という鬼仕様。でも結局全部買うから、なんくるねえ。

・“THE IDOLM@STER 7th ANNIVERSARY 765PRO ALLSTARS みんなといっしょに!”0623リポート【画像14点追加】 - ファミ通.com
http://www.famitsu.com/news/201206/23016878.html

・モバマス、ジュピター、アニマスがコミカライズ! “THE IDOLM@STER 7th ANNIVERSARY”0624リポート【写真追加】 - ファミ通.com
http://www.famitsu.com/news/201206/24016885.html

2012/06/16

なぜ独立系アニメ映画は惨敗するのか


・朝日新聞デジタル:とある映画の連敗記録 - 小原篤のアニマゲ丼 - 映画・音楽・芸能
http://www.asahi.com/showbiz/column/animagedon/TKY201205270088.html

こちらの記事を読んで、いやそのずっと前から悶々と思っていたことがあったのですが、ようやっと考えがまとまったのでつらつらと書いていきます。


ももへの手紙も虹色ほたるも、両方見に行ったのですが、やはり自分が見に行った時も、観客はわずかで、実際地元の映画館でも、両者とも三週目には午前一回の上映回数に追いやられ、一月と持たずに上映打ち切りとなってしまっていた。

この結果に対して、twitterやブログ感想で、危機感を募らせたり、嘆きが聞こえてきたりといった反応を目にする機会も多かった、
私自身、この結果は、非常に残念なことではあると思うのだけれど、自分としては、過去の経験から見る前に既にある程度予想できていたことなので、少し冷静にというか、ちょっと冷めて受け止めている。

なぜ、見る前から惨敗することが予想できてしまったかというと、2009年公開の「マイマイ新子」が同系統のアニメ映画として同じ経緯で、上映が短命に終わっていたこと、やはり同系統のアニメ映画として、2010年公開の「宇宙ショーへようこそ」も興行的には振るわなかったという現実があったからだ。

実の所、これらの作品に共通する点が多い。
まず、原作付き、オリジナルにかかわらず、TVアニメの映画化やシリーズ物の続編ではない単発の独立したアニメ映画であるということ。(適当な言葉がないのでここでは、これを独立系アニメ映画と称します。オリジナルというと語弊があるので)
もう一点は、小学生の子供が主人公のジュブナイル系の内容で、作品の主要ターゲットが、子供を含めたファミリー層であること。
そして、言う必要もないことだけれどジブリブランドではない、ノーブランドであること。
さらにもう一点付け加えるなら、主要スタッフや作画クオリティ、作品の質にに対するマニアの関心は比較的高いということ。

この条件が揃ったアニメ映画はコケる可能性がとても高い。
では、そういった独立系アニメ映画がなぜコケるのか、なぜ興行的に振るわず惨敗してしまうのか。

それぞれの作品は、公開規模や宣伝量にはかなり差があるにも関わらず、実際の結果には大きな差が見られないことを考えると、宣伝が足りない、認知度が足りないといったことは関係なく、こういった独立系アニメ映画、特ににジャンルがジュブナイル系のものを観に行く観客層はそもそもごく少数で、限られているのではないだろうか。

特にファミリー層をターゲットにしている段階で、ドラえもんやポケモンの様な定番の人気キャラを子供にせがまれて観に行く固定層から、シェアを奪わなければならないという困難な現実がある。
認知度の高い定番キャラを擁した作品に対して、地味なルックス、キャラ性の薄い児童文学然とした内容の作品はそもそもジャンルとして違うので、選択肢として比較されない。
むしろ比較対象となるのは、ジブリ作品になるが、ジブリというブランドの安心感でアニメ映画を見に行く非ファミリー層を含めた観客は、玉とも石ともわからない独立系のアニメ映画を観に行くほど、そもそもアニメ映画に感心を持っているのかというと、甚だ疑問だ。

結論を言ってしまえば、「虹色ほたる」や「ももへの手紙」のような作品を映画館に観に行く観客層というのは、ほとんど存在していない。
そもそも存在していない観客に向けて映画を作っても惨敗するのは、当たり前の結果なのではないか、ということだ。

では、なんでそんな観客が見向きもしない作品を作ってしまうのだろうか?
それは、ジブリの成功に対する、幻想、呪縛そのものなのかもしれない。

ジブリ、特にその存在を世に浸透させた「となりのトトロ」は、独立系であり、ファミリー層をターゲットにした作品であり、公開当時まだブランドも確立していなかった。
「となりのトトロ」も公開当時の興行成績は芳しく無かった、少なくとも同宮崎駿監督作品の「ナウシカ」「ラピュタ」よりも下だった。
そんな「トトロ」だったが後にTV放映、ビデオソフト化され広く知られるようになると、評価と人気が高まり現在のジブリブランドの確立を生む発端となった。

この成功法則にあやかりたい、子供向けでありながらオトナの鑑賞にも耐えうる質の高い作品を作れば、ファミリー層をターゲットにしつつ、ジブリを見ている高年齢の観客層にも関心を持たれるのではないか、たとえ興行成績で苦戦してもいずれ評価してもらえるのではないか、という幻想、呪縛がこういった作品が多く企画され製作される要因なのではないだろうか。

しかし、その幻想、というか期待は、ほぼ無理筋であることが、最近の作品の結果ではっきりとしてしまった。
まだ、再評価、ブランド化という道は残っているが、果たしてそういった長期的戦略目標を持っている作品がこの中にあるかどうかは、疑問だ。


では独立系アニメ映画が全て不振かといえば、例外もある。
それが細田守監督の作品だ。
しかし一点共通しない条件がある。それが、「小学生の子供が主人公のジュブナイル」ではない、ということだ。「時をかける少女」も「サマーウォーズ」も主人公は高校生で、主要ターゲットはファミリー層よりもやや上の中高生以上の一般的な観客層であり、キャラデザに貞本義行を起用することでアニメファンも視野に入っている点も大きな違いだろう。
そして次に公開が控えている「おおかみこどもの雨と雪」は前二作の成功が前提にあり、ブランドが確立しつつあるという強みももっている。
そして今回の「おおかみこども」は、ファミリー層をかなり意識した企画内容として見受けられる。

実はこの流れは宮崎駿監督の初期の流れに非常に似ている。
宮崎駿はナウシカ、ラピュタの頃は、アニメージュをホームグラウンドにしており、当初はアニメファンやマニアから支持される存在だったのが、トトロ、魔女宅で転機を迎え一般層、ファミリー層にも受け入れられる存在になった。
細田監督もデジモン、どれみなどでマニアから注目され、単館系上映だった時かけが口コミで広まり、映画ファンからも関心をもたれ、サマーウォーズで更に広くライトなアニメファン層、中高生にも浸透していった感があり、それを受けてのファミリー層を意識した「おおかみこども」という今回の流れである。
マニア、アニメファンからの支持から、ライト層、ファミリー層への浸透という流れは監督自身のブランド化のひとつの成功法則として見ることができるかもしれない。
が、作品の成功、ブランド化は必ずしもこうすれば上手くいくという成功法則なんてものは、現実には存在しないだろう。

しかし、少なくともノーブランドでジブリを意識したようなファミリー向け作品は、独立系としてやるには、最もハードルの高いジャンルであることはほぼ証明されてしまったといっていい。
「おおかみこども」が成功するか否かはまだ結果待ちだが、仮に「おおかみこども」を「時かけ」や「サマーウォーズ」をへずにいきなり作っていたら、細田監督でも、やはり惨敗するのではないだろうか。
もし、そういった子供向け、ファミリー層向けの作品をやりたければ、まず「ブランド」を確立することだ。
細田守監督は、意識しているかどうかは分からないが、その点で着実に足場を固めてきているといえる。


では、独立系アニメ映画は今後どうあるべきなのだろうか。

アニメ映画を見に劇場に足を運ぶという行為は、想像以上にハードルが高い。
特に作品に対する関心、興味の高さ、モチベーションがなければ、距離のある劇場にいくのは、自分自身も億劫になることがある。
だからこそ、TVシリーズの映画化や、有名原作、ブランドといった担保がアニメ映画を見に劇場に行くためのモチベーションとして大きな役割を果たすことは、間違いないし否定出来ない。
それがない独立系アニメ映画が苦戦するのは当然なのだ。

実際、深夜系のTVアニメの映画化作品の存在は特に最近注目度が高く、公開規模は小さくとも堅実な成績を残しているものが多い。
先日公開されたBLOOD-Cも地元の映画館での様子をみた限り短命打ち切りになるほどの不入りということもなく、それなりの客入りのようだ。
また昨年末公開された「けいおん」の劇場版は異例の大ヒットでロングランにもなった。
特に「けいおん」のヒットは深夜アニメを好んで見るごく狭い観客層だけでは、説明の付かない数字をたたき出していることを見れば、作品自体の浸透度、観客層の幅は、想像以上に広いのではないだろうか。
けいおんを劇場に見に来た層をそのまま、アニメ映画全体の潜在的観客層として捉えることは十分に考えられることではないだろうか。
仮にもし、京アニが、現在のブランドを生かして、TVシリーズの延長ではない独立系のアニメ映画制作に乗り出したとしたら、観客を間違いなく呼べると思う。
アニメ映画のターゲットをファミリー層、一般層という雲をつかむ存在だけに頼らず、確実に数字を出すライト層を含めたアニメファンに絞っていくのもひとつの戦略かもしれない。

独立系アニメ映画が戦っていくために必要な物は、監督でも、スタッフでもいいし、制作スタジオでもいい、観客の関心や興味を抱かせる「ブランド」というモチベーションであり、そのブランドを如何に確立していくか、という戦略ではないだろうか。
なぜ自分がももへの手紙や虹色ほたるといった作品を観に行くのかといえば、こういった作品には、高い技術を持ったスタッフ、アニメーターが多数参加していて、TVシリーズとは違ったものが見る事ができる、という日本の劇場アニメ全体、アニメーター、スタッフに対する信頼とブランドが自分の中に確立されているからだ。
結局は自分も「ブランド」という担保をモチベーションに劇場に足を運んでいるに過ぎない。
自分の様にアニメ映画、劇場アニメ自体にブランドとしての魅力を感じて劇場に足を運ぶ観客なんて、ホントにごくわずかしか存在していないだろう。、
では、自分のように、そういったアニメ映画というジャンル全体をブランドとして魅力を感じる観客が、今の十倍、二十倍存在したとしたらどうだろう。
先の結論で述べたように、そもそも虹色ほたるやももへの手紙のような独立系のアニメ映画を観に行く観客層も、市場も、今現在ほぼ存在していないに、等しい。
ならばそういったアニメ映画を、楽しみに見に来てくれる固定層、支持層を超長期的な視点で、育てていけばよいのだ。
ジブリは本来その役目をになっていてもおかしくない存在だが、ジブリはそのスタジオの性格から、自分たちは「映画」を作っているのであって、ジブリだけが成功していればアニメ業界全体のことは関心がないというスタンスがほの見えているので、全く期待はできないのが口惜しいところだ。

「アニメ映画全体のブランド化」は、ものすごく気の長い話で、超長期的戦略と業界全体の団結、協力がなければ不可能だろう。
自分で言っていてもかなりの思いつきの夢想でしかないよなあと、おもいつつもそれが実現すれば、もう二度と広い劇場で、観客数人でアニメ映画を見るなんて寂しい思いをせずにすむのに、と思わずにはいられない。

2012/06/05

劇場版BLOOD-C The Last Dark 感想

割りと批判も多かったTVシリーズですが、自分はけっこう楽しんで見れたので
完結編となる劇場版がどうなるか、気になっていたので、見て参りましたよ。

結論から言えば、、出来や内容にに関しては、まあまあ、概ね満足でした。
とはいえ過渡な期待をしていたわけでもないのですが。
あと、TVシリーズラストのスプラッタコメディな大虐殺とグロがなんだかんだで好きだったのだけど
劇場版は、普通にホラーアクションになっていたのは、ややがっかりというくらいです。

ただこの劇場版を見て、TVシリーズでは全く気づくことが出来なかった、文人の小夜への想いがはっきりとして、実は純愛の物語だったのだとわかることで、TVシリーズと劇場版を含めていろいろ腑に落ちたのは、よかったかなと。


※以下、本編ネタバレ有り

この映画のキーポイントは、TVシリーズでは七原文人がただの頭のイカレた金持ちぐらいにしか思えなかったのが、実は小夜の事が愛しくてたまらなくて頭がイカレてしまった金持ちだったことがわかるというところだと思う。
浮島地区での茶番も、ふるきものを使った実験、研究もすべて、小夜のためだったと。
減少していくふるきものが絶滅すれば、それを糧とする小夜もいずれ消えてしまう、それを阻止するために、人間をふるきものに変える実験を繰り返し、さらに自分に憎悪を向け復讐にやってくるが、人間を殺せない小夜のため、自ら人間であることを捨てる、小夜に殺されるために・・・

そんな文人に対し、人でない小夜は何を思い、何を感じていたのか。
直接語られることのない小夜の内面には、想像と解釈の余地が多分にあり、これが小夜と文人の交わることのない歪んだ純愛の物語として際立ち、映画としての大きな柱になっている。
実の所見る前と後で、作品の持っていたイメージがガラッとかわったなあ、と、この点についてはかなり面白かったし、良かったと思う。
また浮島地区で友達と思っていたクラスメートが全て演技で偽物だったという喜劇のような悲劇を演じさせられた小夜に、今回の話で、サーラットのメンバーという仲間と呼べるかどうか、という距離感の存在に出会うことで、小夜の孤独さや内面のゆらぎが際立つ様にTVシリーズと対比されるキャラ配置がなされていたのも、上手かったと思う。

惜しむらくは、最後の巨大なふるきものとのバトルがあっさりしすぎて盛り上がりに欠ける所。
デカイのキター、わははー、と思わせておいてなんの山場もなくすぐにやられてしまうという・・・
パンフを見たらそこは本来もっと尺があってアイデアもあったそうなんだけど、なんでなくしたし。
そこでのアクションシーンをもうちょっときっちりやりきっていれば、娯楽映画としての評価ももう少し上がったのでは、と思うのだけど。

だいたいこんな感じで、まあそこそこ好評の部類に入るのかな

あと水樹奈々ファン的に水樹奈々の低音ヴォイスの演技が堪能できるのと主題歌のMETROBAROQUEが作品イメージと相まってかなりかっこいい良曲になっていてその点でも俺得でした。




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2012/05/29

虹色ほたる 感想



見終わった直後の印象は、「予想以上の作画アニメ」でした

キャラデザや予告編をみた限りでも、十分絵作りに関してはチャレンジングではあったので
その辺は、ある程度覚悟してたし、それ自体は肯定的なつもりで臨んで見に行ったはずなのですが、その予想を遥かにこえていたというか、ここまでやるかー、というほどに作画アニメでした。

おかげで、困ったことに「ももへの手紙」同様、作画が気になって、なかなかお話に集中出来ずに観終えてしまった。
輪郭線を太くし、関節をつなげなない独特のキャラでの絵作り自体は悪くないのだけれど、その描き方が、ロングやアップで統一感がなかったり、シーンやカットごとに絵柄の差が大きく出るので、主人公のユウタやさえちゃんですら、認識するのにちょっと戸惑う、さらに時間軸で違う年齢でも出てくるので軽く混乱するときも。
ということで、いくらなんでもチャレンジャー過ぎないのかなこれは、と思ってしまった。
せめて統一感があればなあ

お話の方は、タイムスリップ、昭和52年、ダムに沈む村、夏休み、ジュブナイル、とヨダレが出るくらい好物なシチュエーションが詰まっていて、充分俺得で、悪くはなかったのだけど、だからこそ普通のものを普通に見たかった、と思ってしまう。
ラストも自分的にはちょっとやり過ぎなくらい奇跡が起きすぎて、逆に萎えてしまった。
お別れのシーンから以降はもっとあっさりしててよかったんじゃないかなあーと。
うーん、結局不満の方が多いなあ。

以下良かった探しー(ネタバレ有り)

・美術は総じてよかった、昭和っぽさと、真夏の雰囲気がよく出ていた。
・さえちゃんが浴衣着せてもらってくるくる回るところから、花火を観に行く途中でのユウタとのやり取りのシーン、作画も芝居もこのあたりが一番好きかも。
・ケンゾウと女の子の淡い関係は良かった、リアルな小学生の男女間で。
・さえちゃんちのおばあちゃん。たぶんこの映画でいちばんきゅんと来たキャラ。
さえちゃんがおばあちゃんにお別れするシーンでおばあちゃんに抱きつくところでの、事情をしらないおばあちゃんを見ているともう、切なくて。
おばあちゃんの記憶からはいずれユウタもさえちゃんも消えて、またひとりきりになってしまう。でもおばあちゃんはそのことを覚えていないんだと思うともう、ね。
ユウタとのお別れの時に持たせてくれるお弁当におばあちゃんの優しさと暖かさが詰まってて、本当に泣きたくなる。


そんな感じで、ちょっと、予想からというか、自分が見たいと思っていたものからずれてたので、不満は多々あるのですが、要所要所で、いいとこもあったし、そこまで悪くはなかったかなと。

ただ、まあ、題材は一般ウケしそうなのに、よくぞここまでカルトな映画つくったなあ、と思ってしまうのでした。


参考:虹色ほたる公式
http://www.nijiirohotaru.com/



4434108719虹色ほたる―永遠の夏休み
川口 雅幸
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2012/04/27

ももへの手紙 感想

見てきたので感想です。

人狼の沖浦監督で、IGがかなり年月を費やした作品ということで
前評判で見ても、作画アニメになるだろうことは予想できてたし
作画について多くを語られる映画になるんだろうなあ、と思っていたので、
逆に、そこにはあまり重点を置かずに、物語やテーマを重視して作品を見て、感想を書こう。
そう思って映画を見てきました。

ところが、困ったことに映画を見終わったあと結局出てくる感想が、作画関連中心になってしまうという始末。
うーん。


この映画を見てて一番面白かった所は、やはりとぼけた妖怪3匹とそれに対するもものりアクション。
妖怪たちの悪さやちょっかいに、ももが芸人ばりの面白いポーズや表情で、オーバーなリアクションを取るのが、コミカルで見てて楽しかった。
楽しかったんだけれど、逆にそこに違和感を感じて乗りきれなかった、というのが正直な所。
それは、妖怪の登場まで、生々しいリアル作画で芝居していたキャラが、いきなりやや漫画的な非日常のオーバーリアクションをはじめることへの違和感だったんじゃないかと思う。
妖怪に対するのもものおもしろリアクションは、ただのコメディシーンとして理解すべきなのか、それとも、本来のももはこういうリアクションを日常的にする活発で面白い子なのか。
父親を失って、引っ越しもかさなり、気分が沈んでいるももの元に現れた妖怪たちは、そのももを本来の姿に解放する役目を担っているとするなら、オーバーリアクションするももこそ、本来のももといえるわけで、だとするとももって子は相当に芸人な子になってしまうのではないのか、というそんな混乱を感じていた。
要約していえば、物語のリアリティレベルと、キャラデザ、作画のリアリティレベルの間に、ズレを感じてしまっていたということなんだと思う。
そのためかなかなか物語に集中できなかった。

んで、物語の方なのだけれど、こちらはいたってシンプルで、普遍的なテーマを扱っているので、年齢に関係なく万人に受け入れられるものに仕上がっているし、泣かせ要素もあるので、悪くない。
悪くないのだけど、逆にシンプルすぎて言及するところがあまりない。
正直食い足りない。
特に地元の子たちとの交流において、地元の子達の側の描写が薄めで、あまり踏み込まないところが、物足りない。そこには妖怪たちも絡まない、というのも、え?どうして?と思ってしまった。


といったところで、なんか酷評になってしまった・・・
いや映画としての完成度は十分すぎるくらい高いですし。
劇場アニメだからこそ見れる高純度作画を見たいという欲求自体は、十二分に満たしてくれるわけですし。

でもそれだけでは、完全には満足できない性質なんですよね、仕方ない。



参考:『ももへの手紙』公式サイト
http://momo-letter.jp/

2012/04/04

戦姫絶唱シンフォギア 感想

最終話まで見たので、感想&総括です。

燃えた!
特に最終話は熱血バトルアクションモノとしては完璧なくらい王道。
この作品の重要な鍵である歌にのせての戦闘シーンは超燃えた。
これこれ、これなんだよ、子供の頃から自分が好きな「アニメ」って奴は。
俺はこういうのが見たいんだよ!
と、そう思わせてくれる最終回であり、作品でした、シンフォギアは。

ただもちろんシンフォギアという作品は、そこまで誉められた良作だったかというと、そういう訳でもない。

最初の1,2話は明らかに何かオカシイ展開や、状況、作画、演出の足並みの揃わなさから、突っ込みどころしかない様な出来で、ほとんどネタアニメとしか思えない代物だった。
しかし、作品からは分けのわからない熱量だけは感じる。
ネタとしか思えない展開の向こうに、作り手の本気度がほの見えてくる。

これが、原作者たる作曲家の上松範康氏の厨二全開で「自分の好きなものをとりあえず全部詰め込んでみました」結果で、本当に本気なんだというのがわかってくると、ネタとして笑いながらもだんだん楽しくなってきて、6話の響とクリスのバトルの頃には、もう完全にノリノリでこの作品を見ている自分がいる事に気づく。
シンフォギアに内包されているもののそれは、ほぼ70年代80年代のアニメや特撮のヒーロ物、熱血バトルアクションのノリやテーマそのまま。
それが上松氏の「好きなもの」で、多分全部自分も好きなものばっかりなんだ。
そりゃノリノリにもなるわな。

作品の出来自体は、正直言って粗っぽい、デタラメな所もある。
それでもこの作品は表面を取り繕った、ウケ狙いのお行儀のいい作品にはない、作り手の込めた熱がある。
そしてその熱は自分みたいな人間には届くのだ。

シンフォギアが特別好きというより、自分は「シンフォギアみたいなアニメ」が好きだし、そういう作品を今も昔も欲しいているのだ。




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といいつつBD買うかどうかちょっと躊躇している・・・
キャラソンは結局全部買ってしまったわけだが。
お気にいりは響の歌てる二曲、最初聞いた時のズコー感を超えるとどんどんクセになる、たまんない。

2012/04/02

10年という時代の変化の中での「あの夏で待ってる」と「おねがいシリーズ」


おねがいシリーズの黒田洋介と羽音たらく、「とらドラ」「あの花」の長井龍雪と田中将賀が手を組んだという時点で、自分的にはほぼ勝利確定の安牌作品で、出来も中身も予想や期待を裏切ることなく、とても満足でした。

最初から、おねがいシリーズの後継作品を匂わせつつ、要所要所で関連するネタも仕込んでいたので、ここでは感想というか、あえておねがいシリーズとの比較で「あの夏で待ってる」について語ってみようかと思います。

おねがいシリーズの二作、「おねがいティーチャー」と「おねがいツインズ」は、当時の美少女ゲーム、萌えアニメの隆盛の中でのアニメオリジナル企画としての、黒田洋介なりの答え的な意味を持つ作品だったのではないかと思います。
で、ティーチャーから10年の時を経て、作られた本作は、その後の時代の変化を受けたものになっていた、と言うよりは、よりおねがいシリーズが持っていた要素が純化した作品になったのではないかと思う。
おねがいシリーズは当時の萌えアニメ的な文脈で作られているために、お色気要素、サービスシーンが露骨とまでは言わないけれど多い。
それに比べると夏待は、その点に関して非常に抑制的に作られている印象がある。
加えて夏待は、作品の持つムード、ストーリーが、青春モノの方に大きく傾いいて、如何にも美少女!ハーレム!萌え!的なアクが抜けきっている。

これは監督の長井龍雪本人やその過去作からの流れも関連する事かもしれないが、もともと「美少女アニメ」という枠に黒田洋介が持ち込みたかった、「青春モノ」の要素を加えて作られたおねがいシリーズが、十年経って、夏待で「青春モノ」という要素だけで作品を成立させることができるようになった結果なのではないだろうか。
おそらく、黒田洋介的には、夏待と、おねがいシリーズ二作で、構成要素の多少の違いはあっても、やっていることはそう違わない。
だが、もし、十年前の時点で、この「あの夏で待ってる」がそのままで作られていたとしたら、多分地味すぎてだれも見向きもしない作品で終わっていたかもしれない。
そういう意味で「あの夏で待ってる」は美少女アニメの10年という時代の変化を感じることのできる作品でもあったかもしれない。



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2012/03/24

銀翼のファム 最終回感想・総括

最終回見た。
ラストは、切ない喪失感もありつつ、それを乗り越えて得た平穏を噛み締める事のできる清々しさもあり、いいエンディングだった。


至好回路雑記帳: 銀翼のファム 感想(7話まで)

先の記事の前半で書いたことで、自分のこの作品への評価についてはおおよそ書いてしまっているので。そちらを参照ということで。
物語が、後半に行くに従って、戦争という大状況、政治劇が締める割合が増えて、その分主人公のはずのファムの存在は、その状況において不能であり、気薄になりがちではあったのだけれど、その大状況を、ファム、ミリアの目線を通して見て、咀嚼する余裕が出来たのは、やはり前半で、ファム、ミリアというキャラと関係をしっかり描いて、それぞれの動機として、グランレースという和平の象徴という解りやすい目的を提示できていたからだと思う。

戦争状況をひっぱったルスキニアの行動と目的は、結局解りやすいくらいアニメ的な敵役のそれで、なんか見てて安心した。
ラストがギルティクラウンに続いて、でっかい建造物が崩壊して脱出してて吹いた
やっぱアニメはこうでないとなw
前シリーズが「アニメ」という枠を肩肘張って超えようとしてから回ってたのに比べて、今回は、アニメらしい身の丈を心得た、キャラ、物語、テーマだったんではないかと思える。
小さくまとまった感は否めないけれど、オリジナル作品としてこのレベルは十分だと思うし、コンスタントにこういう作品が出ることは貴重だと思うのです。

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ギルティクラウン 感想

ギルティクラウン最終回みたけど、なんか強引にまとめたけど、うーん。
最後ラストバトルで、建物が崩壊して脱出していくの見てて、昭和っぽい王道さを感じて苦笑したけど。

放映中も散々言われたことだと思うけど、結局のところ脚本にしろ人物描写にしろ全てが粗っぽかった。
各話ごとに起こるイベントとその先の展開自体は、気になるので、毎週見ている分には面白いんだけれど、話が進めば進むほど、破綻が目に見えて、ノリだけで見ていくにはきつくなる。
これが友情とか愛とかシンプルでありがちなテーマでやってるならなんの問題もないのだけれど、人間のネガティブな感情や、行動、人間関係の問題といった突っ込んだものをやろうとしているがために、余計にグダグダになっていくという負のスパイラル。

いろんなことがもうちょっと綺麗に整理できていれば、もっと面白くなったんじゃないのかなあ、と思うと、少し惜しい。

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2012/03/23

ブラックロックシューター 感想

TV版最終回まで見たので感想。

難点は多いのかもしれないけど、意外と面白かった。
難点といえば、話が抽象的で、語りが多いにもかかわらずわかりづらかった。
後半から最後に行くまで日常パートと、バトルパートの関係がわからず???状態というのは、見る人間を脱落させるのに十分な悪要素ではないのかと思う。

でも、最初のかがりの基地外っぷりが凄まじく掴みとしてはこれで十分お釣りが来るくらい面白かったのと、かつ割りとシンプルな思春期の友情やら人間関係がテーマなんね、ということがわかったので、なんとか最後まで見ていられた。
その女の子同士の友情、人間関係、そこから生まれる嫉妬、憎悪、苦悩とかそういうどろっとした感情のぶつけ合いみたいなのを見るのが自分は、あんがい好きなので、個人的にはそれが大きなフックになってくれた
特にヨミが壊れていく過程はゾクゾクした。
とはいえそのヨミが最後の方では出番なくなってモノ足んなかった。
ヨミとマトに物語を絞っても良かったんじゃなかろうか。

結局のところ日常パートのキャラの異常さが、アクションパートを喰ってしまった感が否めないんだけど「ブラックロックシューター」というキャラを売るのが目的(?}のアニメでこの構成は、果たして正解だったのかちょっと疑問。
あちら側のキャラたちを、デジモン系の使役モンスターっぽい扱いにするとか、最初からあちらの世界にダイブするとかしたほうが解りやすいし、感情移入もしやすかったのではないかと思わずにいられない。

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2012/03/20

ストライクウイッチーズ劇場版 感想

見て参りました。
素直に面白かったです
出来や内容に関して正直不安を抱いていたのですが、概ね満足

出来に関しては、急造低予算でヒドイことにならないかという不安があったのだけれど、そんなことはなかったぜ!でした。
とはいえTVシリーズの延長を保った程度なのだけど、大画面と音の迫力はやっぱり劇場版ならではだし、こういうアクション主体の作品を劇場で見れるのは、やっぱりいい。

内容に関しても、TV第二期で501舞台の話はやりきった感があり、
魔法力を失った宮藤を主人公にしてどう話を作るのか、難しい面があるのではないかと感じていたのだけれど、これもきっちりクリアされてて、物語的にも十分満足できた。


※ 以下感想、本編のネタバレ含みます

今回、大雑把に言ってしまえば、魔法力を失った宮藤が、魔法力を取り戻すまでの話で、それ自体は、こういう作品、一度キャラの持っている物語を終わらせてしまった作品で、続編を作らねばならない時に避けて通れないパターンのひとつなので、もう既定路線と割りきって見れるのだけれど、それ自体を作品として、視聴者に納得させることができるかどうかが鍵だと思う。
しかし、これを理窟や説明でなくて、「宮藤芳佳」のキャラ性と物語の感情線の盛り上げで、納得させるところに持っていけたのが、今作の肝であり、成功の最大のポイントだったのではないかと思う。

宮藤は、魔法力を失ったことにさほど後悔もしていないし、執着もしておらず、元々の夢だった医者への道に気持ちを切りかえている。
そんな中欧州への留学が決まり、その道中様々な事件に遭遇していくのだけれど、そこでの宮藤の行動力、決断力の高さには、目を見張る。
過去に死線をくぐり抜けてきた経験と、成長したという面もあるのだろうけれど、そこに迷いやブレがなく。、今の私にできること、守りたいという宮藤の根本を成す思いを、正直にまっすぐに実行していく。
その結果、魔法力がなくとも、単騎でネウロイを落としてしまうという荒業をなしてしまう。
まさに芳佳ちゃん無双、芳佳ちゃんTUEEEEEEE

その後、更に強大なネウロイが出現し、負傷して動けない宮藤の、危機的状況にに際して失った力が、復活するという話の流れがここで来るのだけれど、これがお約束のパターンなのかというと、そこまで積み上げてきたものを見ていると、そうとも言いきれない。
魔法力復活自体はパターンは、パターンなのだけれど、そこに至る過程、持って行き方が、
強大な敵を前に、無力な自分に苛立ち、焦り、力を欲し、思いの強さやら何やらに対して、何かが答えて力が復活するみたいな、ご都合主義的なよくあるパターンの匂いを微塵も感じさせないのだ。

魔法力の有無は、宮藤自身の強さの本質とは、無関係である。
宮藤にとって魔法力は自分を強くするための便利アイテムではない。
それまでの物語の流れなの中で、宮藤芳佳の強さの本質が、魔法力を失っていたことによって逆に、強調されクリアに描き出されているため、そのことがはっきりと理解できる。
その上での宮藤の魔法力復活は、それ自体はご都合主義的かもしれないが、魔法力の有無が宮藤芳佳というキャラの本質にとって無意味であることが理解できる為に、魔法力復活自体のご都合性そのものを無意味化されている、それゆえに、ここで主人公の力が復活しないのは嘘だよね、と力技で納得させられてしまう、復活劇としては不思議なカタルシスがある。

総じて本作において、宮藤芳佳の復活劇を通して、宮藤芳佳というキャラの主人公性、ヒーロー性が見事に描き出されていて、宮藤芳佳というキャラの完成と、ストライクウイッチーズというシリーズを総括する上での到達点として、やはり良く出来ていたと思う。
ただ逆に、本当にこれ以上宮藤芳佳というキャラで、物語を描くことは難しいなあと思ってしまった。
それ故に新キャラの服部静香の登場、ポジションは上手いと思えたけれど、その割に、描き切れていなかったというか、物足りなかった感は強いかも。まあそこは今後に期待してもいいのかな。

その他、細かいところでも色々あるけれど、特にお気に入りのシーンとしては、服部さんに対してペリーヌが宮藤のことを語るシーンがよかったなあと、一番宮藤に対して反発していたペリーヌが、やはり宮藤の行動に対して納得できない服部さんに、諭すという図は、ペリーヌだからこそできる役割だなあと。

そんな感じで、今回の劇場版は十分満足させていただいたわけですが、今後の展開はどうなんでしょうね。
まあラストにでかでかと「つづく」とやってしまったので、期待していいんでしょうけど、やはり個人的には、501部隊以外の話もアニメでやっていいと思うし、みたいなあと。
今回も小出しにはしていたのだけれど、そろそろメインにしてみてもいいとは思う。
501のキャラが人気もあるし定着もしていることはわかるけど、ストライクウイッチーズには、今後も息長く続いて欲しいので、特定のキャラ人気だけで終わらずに、他部隊や別時系列の話で広げて行って欲しいなあと、思います。




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2012/01/07

魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY 感想

魔法少女リリカルなのはA'sのPSPゲーム第二弾、通称なのはGOD、ストーリーモードを概ねクリアしたのでその辺を中心に感想をば

なのはGODの感想を取り敢えず一口に纏めると
予想以上、期待以上に面白かった!マテ子最高!
ですw
第一弾のBOAの続編的位置づけにあたる本作なんだけど、その前作の長所、短所を改善してボリュームアップ、パワーアップされていて、とにかく満足度が高い。

今回、一番良かったと思うのはやっぱりストーリーモード。
キリエ、アミタという新キャラが投入されて、ViVid、Force組のヴィヴィオ、アインハルト、トーマ、リリィまでゲスト出演して、正直どうなるか未知数な部分も多かったけど、これがしっかりとまとまっていて、何より、「そうそう、リリカルなのはっつったらこうだよね!」と思えるような都築節炸裂で、すごく良かった。
んで、このストーリーモードの主役というか中心が、前作で敵キャラとして登場したマテリアルズの三人娘だったのも大きい。
実際やる前は、キリエとアミタが物語の中心で、マテリアルズは、チョイ役程度かと思っていたのだけれど、まったくそんなことはなく、むしろ、キリエアミタの方が影が薄いくらい。
実際のとこ、マテリアルズの三人娘は、前作BOA発売後、同人界隈でも本がけっこう作られるくらいに人気があり、自分もかなり気に入っていたので、本作で、ここまでメインで活躍が見られたのは嬉しい限りでした。
マテ子達については、メガミマガジンに掲載されていた都築氏のインタビューで
「声優さんたちやファンの皆さんのイメージを吸い上げて、みなさんが思っていたのはこういうマテ子たちだよねというのをご提供できたかなと。」
と言っているくらいなので、同人やファンの間でのマテ子人気が今回のGODでのマテ子活躍の後押しの一因だったのではという気がします。
BOAでのマテ子は、2Pカラーの水増しキャラくらいの扱いだったのが、なんでこんなに受けたのか不思議だけど、レヴィ役の水樹奈々と、ディアーチェ役の植田佳奈がノリノリでおバカキャラを演じてたのが大きいのと、クール系の田村ゆかりヴォイスのツッコミ役シュテルを加えた三人のバランスが非常に美味しくて一回きりで、捨ててしまうには惜しすぎる素材だったのが大きいのかなと思います。

んで、さらに今回新キャラの「砕け得ぬ闇」こと、ユーリが加わって展開する物語、これがまた泣ける、まさに都築節!
ちょっとネタバレになるかもだけど、今後、マテリアルズ、ユーリたちとなのはたちの再会がもしかしたらどこかであるかもと思わせるエンディングの引きがずるい、特に再戦の約束をしたシュテルとなのはのフラグがいつの日か回収されるのではという期待を抱かずにはいられない。
こういう同人的妄想の余地を残した作りが狙っているのか、本当に上手い。
また薄い本がたくさん出るで、これはw

あと付け加えると、アリア&ロッテ、リニス、プレシアなんかも出てきてA'sの補完話もあるのも、シリーズのファンとしてはやはり嬉しい。特にリニス絡みはこれまた泣ける。

それと、前回今ひとつだった、ゲームシステム、バランス共にかなり改善されていて、クロスレンジ、ロングレンジでの切り替えの攻防が面白くなっているのも大きい。
ストーリーモードでのユーリがかなり強くて、キャラのタイプを考慮して個別に戦術をある程度ねらないと勝てないようになっているのもよく出来てて、最終決戦で苦労する分、エンディング見れた時の達成感、満足度も高くて、そういった所でのバランスも前作より格段に良くなっていた。

ということで大満足のなのはGODでした。
続編は・・・あるのかなあ
マテ子たちとユーリは絶対出して欲しいけど、難しいかなあ


関連:魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY- | バンダイナムコゲームス公式サイト
http://nanoha.bngi-channel.jp/



魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY- (通常版)
魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY- (通常版)

2012/01/06

2011年アニメまとめ

あけましておめでとうございます

ということで旧年中にできなかったので2011年のまとめをば
あくまで個人的なものです、念のため。

とりあえず、2011年で個人的に印象に残ったTVアニメ作品を以下列挙

魔法少女まどか☆マギカ
フラクタル
放浪息子
お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからね!
インフィニットストラトス
DOG DAYS
TIGER&BUNNY
シュタインズ・ゲート
花咲くいろは
C
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
星空へ架かる橋
アスタロッテのおもちゃ
アイドルマスター
うさぎドロップ
快盗天使ツインエンジェル
ゆるゆり
ロウきゅーぶ!
BLOOD-C
Fate/ZERO
LAST EXILE 銀翼のファム
輪るピングドラム
ベン・トー
未来日記
C3シーキューブ
ギルティクラウン
僕は友達が少ない
ちはやふる
君と僕


誰もが口をそろえて言うと思うのだけれど、2011年はオリジナル作品の躍進が目立った年だった、というのは間違い無いと思います。
中でもまどか☆マギカ、タイバニはその人気度で頭ひとつ抜けて目立ったし、自身も楽しくみていました
他にも花咲くいろは、あの花、幾原監督の久しぶりの新作であるピングドラムなど、この一年で、過去数年分のオリジナル作品の当たりが出たんじゃないかというくらい、本数的にも内容的にも充実していたんじゃないかと思います
逆に、どうして今まで、これが出来ずに原作だのみが続いていたんだろうなーという気すらします。

そんなオリジナルが目立った一年ですが、自分にとってこの2011年を代表する作品は、そういったオリジナル作品ではなく、ゲーム原作のシュタインズ・ゲートとアイドルマスターだったりします。

シュタインズ・ゲートは原作ゲームに対する予備知識無しで見いて一気にハマり、原作ゲームにも手を出した作品。
ここ最近は「面白い」と思う作品は多くても、「好き」と思える作品は、殆ど皆無だったのだけれど、
シュタインズ・ゲートに関しては、面白かったというのを超えて、作品的にも、キャラ的にも「好き」という感情までいった稀有な作品。
オカリンと助手がもっとイチャイチャしているのが見たくて、思わず同人誌にまで手を出してしまうくらいには、ハマったという意味で、そこまで好きになれた作品は本当に久しぶり。

もいっこのアイドルマスターは、先日別エントリーで総括も書いてあるので、細かくは割愛。
アイマス好きとして、良いアニメ化が出来て本当に良かったとおもっています。

以上2011年のアニメに関してはアイマスとシュタゲの二強でかなり満足してしまっているので、他にあまり語る気がしないと言うか、語ることがないかも。
劇場作品もけいおん!と星を追う子どもを見たくらいで後は行けずじまいだったし、まどかやタイバニなどその辺は他の熱烈なファンにお任せって感じだし。

あとピングドラムに関して、最終話迎えてから何かしら感想を書こうかと思っていたのだけれど、特に書きたいことが浮かばない。何を書いたらいいかわからないので困ってしまった。
幾原監督の少女革命ウテナが好きだったので、ピングドラムも作品自体は楽しみにしていたし、見ている間はもちろん面白かったのだけれど、最終回に至って、ピングドラムという作品がどんな作品だったのか、なんだったのか、その核心に自分は全く近づけなかったし、能動的に近づきたいと思うほど作品にのめり込めなかった。
作品自体は、どても優れているとは思うのだけれど、自分でそれを読み解いたり、考えたりしたい、とまでは思えなかった。

なぜなんだろう。
もう、たぶん、ゆるゆりみたいな作品を見すぎて脳が幸せ漬けになってしまったために、理屈っぽいシビアな作品を理屈で読み解くような、骨の折れる見方ができなくなってしまったのかもしれない。そうにちがいない。
アニメ見て小難しいこと考えてた頃がなつかしいなあ・・・