2013/12/14

かぐや姫の物語 (内容に全く触れていない)感想

だいぶ遅くなりましたがようやく見てまいりました。

まず最初に結論から

みたかった「高畑勲」の作品をみることができた、それだけで感無量

です。

いやもうほんとそれだけで十分、というくらい満足でした。
見に行く前から、そうなってくれるだろうなーという期待はあったのだけれど期待通りでよかったです。

さて本作に行く前に、高畑勲について言及せねばなるまいと思います。
というか本記事はむしろかぐや姫にかこつけた高畑勲語りです。

まず前作であるところの1999年公開の「となりの山田くん」
ジブリの中でも指折りの失敗作と思われている方が多いのではないかと思います。
当時もいまも「なんで山田くん?」と思わせるくらいどうしてこれを題材にして映画を作っちゃったんだ、という問題作でした。
この作品で使われた水彩調のデジタル彩色でセル絵とは違うアニメーションを作るという手法は、かぐや姫の物語でも採用されていたわけですが、その技術の革新性と異常な手間とカネのかかり具合にもかかわらず、その素材が「山田くん」であったがためにまったく見向きもされず、評価もほとんどされまぜんでした。

高畑勲という監督はあくまで演出家であり、宮崎駿と違い自分で絵を描くことをしない。
しかし、宮崎駿が、絵作りという点で、ある程度確立された手法を繰り返し映画を作っていたのに対して、高畑勲は常に新しい手法を導入してそれを試しながら、作品を作ってきた。
高畑勲は常に革新的で日本のアニメーションの表現の枠を広げることに最も貢献した存在だったといっていい。
今では、TVアニメでも当たり前になったレイアウトシステムや細やかな日常描写、深い心情描写を先んじて確立したのは高畑勲だった。
「となりの山田くん」もまた、高畑勲らしい革新的な手法、技術でつくられた作品だった。
しかし、その映画の中身はよく知られた4コマ漫画の家族の日常を描くものだった。
だが、当時は気づくことができなかった先進性、革新性が実はここにもあった。

「4コマ漫画 の 家族 の 日常 を 描く」

4コマの前に「萌え」とつけて、家族を美少女とか女子高生に置き換えれば、今や普通になった深夜の日常系アニメそのままじゃないか。

当時「となりの山田くん」を見たときの自分の感想は今でもはっきりと覚えている。

こんな昭和然とした家族が今の時代に存在するわけない、家族のありふれた日常を描いているようで、既にそれ自体が失われた理想であり幻想であり、ファンタジーでしかないじゃないか。

そう思った。

そうして10年たって気づいてみたら、日常をファンタジーとして描くアニメが世に溢れかえってしまっっていた。
ああ、なんという先進性、当時だれもそんなことに気づけるはずもない。


やや脱線したので話を戻します。

「となりの山田くん」の作品の平凡を通り越した普通さと技術の革新性のアンバランスは、当時見ていて歯がゆかった。
そんなもん普通の観客に理解できるか!企画の段階でもうちょっと考えろ!
、と。

しかし、実のところ高畑監督の作品のすごいところは、平凡な普通のことをすごく普通にすごい技術を費やして描いているんだけど、普通はそれに気づけないってことなのだ。
小学生時代に見ていた「アルプスの少女ハイジ」や「赤毛のアン」の本当にどこの何がすごいのか、
自分が、「演出」というものを意識してアニメを見始めて二周ぐらい理解が深まってようやっとわかるようになったくらいだ
「となりの山田くん」だってそういう意味では「すごい」「平凡」な作品であることに違いはないのだが。

しかし、「火垂るの墓」以降高畑監督がジブリで作った三作、「おもひでぽろぽろ」「平成狸合戦ぽんぽこ」「となりの山田くん」この三作は正直、いずれもなんでこんな企画で作っちゃうかな?と疑問に思わざるをえないものだった。
自分自身これはどうなんだ?と思う一方で宮崎駿の評価と名声が上がり、世間に認知されているのに対し、そのジブリをもてはやすニワカに高畑監督の作品がハズレ扱いされることも気に食わなかったし、忸怩たるものがあった、「ハイジ」や「アン」のすごさが理解できるようになっていただけに
(ああええ、まあ嫌な自意識だとわかっていますよ、こういうのは)

そして「となりの山田くん」以降、これが「高畑勲」なんだ、と、そう言える作品をもう一度作ってもらいたい、そういう思いがくすぶる一方で、なんの音沙汰もなく時が過ぎていき、このままもう引退なのかなあと半ば諦めていた頃に、ついに沈黙を破って登場したのが、「かぐや姫の物語」だったというわけです。

で、今回「山田くん」と同じ手法を使っていても、古典であり、おとぎ話然とした竹取物語を題材にすることで、水彩調、絵本風の絵をそのまま動かすということで、題材と手法がマッチしていて、観客から見てもどうしてこういう絵作りなのか、というのがすんなり理解できる企画になっていたのは非常に良かったと思う。
その上で、誰もが物語の筋を知っている古典を題材にすることで、「平凡」「普通」であってもそれが許容される題材でもある。
古典や誰もが知る名作を題材にする。
これが結局、高畑勲が作品を作る上で最も必要な条件であったわけだ。

遅きに失した感はある
けれど「となりの山田くん」が最後の作品にならなくてよかった、本当によかった
自分が尊敬するみたかった高畑勲をみることができて本当に良かった。

「かぐや姫の物語」という作品は自分にとってそういう作品です。




追記

「風立ちぬ」が「見たくなかった宮崎駿」だったのとは真逆の感想なのは、皮肉というかなんというか・・・







おまけ

B00GWHTEUWジブリ かぐや姫 ぬいぐるみ 女童 S
サンアロー
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↑この侍女の映画における存在感と役割はすごいよね、映画見ているあいだこの子からずっと目が離せなかった



2013/10/05

シンフォギアG 全話総括

シンフォギアG最終回含めての総括

の前に

衝撃の5話以降の展開について少しだけ触れておきますと
まあ、響きの腕はあっさり再生されてしまって、肩透かしをくらった格好になって
5話を絶賛して持ち上げた自分の立場は?みたいな感じになってしまって、あれなんですが
まあリアルタイムだから書けたことってことでひとつ

というわけで完結を迎えたシンフォギアGなのですが、中盤以降の毎週の引きが卑怯なくらいにうまくて、ドキドキ・ワクワクで毎回とにかく楽しめた、そういう意味では一期に引き続いて面白かったし期待を裏切らなかったわけだけれど、食い足りなさ、不満な点をあげていくと割りとポロポロ出てきてしまう。100%満足できたかといえば答えはノーだ。

ただこの満足できなかったことの正体の半分は、この世にシンフォギアが存在せず、一期が比類ない存在であったのに対して二期のGは、「シンフォギア」が存在する世界、比較対象が存在する中での相対評価になってしまうせいなので、致し方ない面がある。
とはいうもののその感じた不満は逆に第一期の美点をを再確認することにもなったとも言えるかもしれない。

シンフォギアというアニメの面白さは一期も二期もそう変わらない、適合者にその面白さを説くなど今更不要だと思うので、今回はあえて、二期に感じた自分の不満をあえてまとめておきたいと思う。


自分がGに感じた不満の多くは、各キャラの抱える葛藤、ドラマ、その描写がが全体的に雑になってしまっている点ではないかと思う。
1話で派手に登場したマリアは、中盤以降1人で思い悩むだけで物語の中心から外れてしまい、他のキャラとの絡みも少なく活躍の場が殆ど見られなかった。
それに対して調と切歌の葛藤の方が中盤以降は、むしろ中心といった様相になってしまった。
響の「偽善」という言葉に対する過剰な反応に対する答えも未消化に思えた。
また、一期に比べてGでは響が主人公としての存在感が薄く、役割を果たしきれていなかったような気もする。
唯一一番うまくいっていたな、と思えたのは自分の居場所を手に入れたことの幸福とそれを守ろうとするクリスと、一期では薄かった翼さんとの関係の進展くらいかもしれない。

二期になってキャラの数が倍に増えた弊害なのかもしれないが、ひとつひとつの描写や積み重ねがうまく機能しなくて描きたいことは流れの中でつかめるのだけれど、それがもう一歩こっちの気持ちを盛り上げるに至らない、脚本演出の力不足をやや感じてしまった。

逆に第一期が響、翼、クリス、さらに未来を加えて、響を中心にそれぞれのドラマを、キャラ同士の関係性の中できっちり描かれたいたということを思い知らされた。


といった具合で割りと作品の根幹に対する不満、って感じになっちゃうんだけれど
逆にそれ以外の部分では、ほとんど不満はないし、Gのよかった点は、今あげた不満以外全部
といっていいくらい、やっぱりシンフォギア大好きな作品なのです。

そんなわけで、第三期あってもいいのよ?
とりあえず第一期悩んだ末、買って正解だったBDは、二期も引き続いて買う気まんまんですから!



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2013/08/03

シンフォギアG 衝撃の第5話 感想

シンフォギアG 5話がすごかった

最近TVアニメの感想は全話見た後に語りたいものだけ書く、って感じになってるのですが、これはこのタイミングで書かなければ意味が無いので書きます。
というか、TVアニメ見てて、こんなに書きたくなった、書かずにおれなくなったのはのは久しぶりデス!



当然ネタばれアリですんでよろしく。


というわけでシンフォギアG5話のラスト、
なんと主人公の響の腕が敵の化け物に喰いちぎられるという衝撃の展開が!!!!
思わず、あああああああああと叫んでしまうぐらいの衝撃度
ほんとうにやってくれた、シンフォギア侮りがたし!

二期が始まって4話まで、新しい敵として、シンフォギア装者のマリアたちが登場しながらも、物語の進行としては、ややゆったり目
むしろクリスちゃんにフォーカスを当てて、一期で拾いきれなかった、クリスちゃんのドラマ的な補完話をメインにしていた。
変身シーンの「ばあぁん!」や学園生活でのクリスちゃん、4話EDで楽しそうに歌うクリスちゃん、と
クリスチャンが可愛くて可愛くて、シンフォギアが萌えに走ったか?と思えるくらいあざといクリスチャンをみせてくれたかとおもったら、これですよ!

響が片腕を失うという展開が意味するところを、一期から見ているものならばその重大性に誰しもが気付くのではないかと思います。
誰かと手をつなぐ、それが響のアームドギアであり力の源、それが失われたということの意味は重い。
二期のOPでも繰り返し、手をつなごうとしてそれが叶わないという絵が繰り返されていた意図が、ここに来てわかり、ボディーブロウのように効いてくる。
響に課せられた運命、試練の苛烈さ・・・

しかし同時に、この展開にワクワクが抑えきれない!

「隻腕」

この単語だけでもう燃えてしまうじゃないですかー

ヒーローが片腕を失い、失意の中からその試練を乗り越え、新たな力を得て復活する!
この王道展開が、まさに始まろうとしているわけですよ!!
これで燃えないワケがない!!!

しかもこれヒロインなんですよ?隻腕でマフラーつけて歌って戦うヒロイン!!!盛りすぎだろww

また今回5話では、1話で華々しく登場し響達の前に立ちふさがったマリアも決して非道な存在ではなく、運命を背負い自らに課した戦う目的を持ちながらも、覚悟を決めきれず、迷いもある存在であることが明らかになり、響達との対立の行く末が、どういった結末を迎えるのかと、こちらもその展開に興味をかきたたさせる。

とにかくこの5話は、それまでの流れからの急転直下のラストと置いてきた布石によって、強く印象づけ、次回以降の展開を否が応にも予想し期待させ、目を離せなくさせる作りになっている。

楽しい、樂しすぎる!

やっぱシンフォギア最高ですわ!




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2013/08/01

風立ちぬ 感想

宮崎駿監督の最新作「風立ちぬ」
見に行ってからそこそこ時間たってしまいましたが、いまさら感想です。

正直あまり書くことがないので書かなくてもいいかなあと思いつつ
長年付き合い、見続けた宮崎駿の作品にだんまりもあれなんで、少しだけ書きます。


さて率直な感想。

退屈だった、自分には合わなかった。はっきりいってつまらなかった。

です。

宮崎駿の作品を見て退屈したのは初めてです。
トイレに行きたくなって我慢できなくて中座してしまったくらい、終盤で飽きていました。

まず基本的に飛行機や兵器の薀蓄的なものにあまり興味が無い、当然堀越二郎に関しても詳しく知らないので、そういった面でまず面白味を見いだせなかった。
実のところ、見る前は、堀越二郎の技術者、ゼロ戦設計に至る開発の苦闘、葛藤みたいな、それこそプロジェクトXみたいな、技術屋の物語を想像していました。あとは雑想ノートみたいな感じのものを想像していて、それはそれで面白いかな?と思っていた。

ところがこれが違った。
蓋を開けてみたらサナトリウム文学で、そっちのが話のメインだった。
まあ、原作がそもそもそうだったことを知らなかったので、勘違いだったわけだけど、兵器絡みに関心がいかないのだから、こっちが良くできていれば、それはそれで、むしろ評価はよかったかもしれない。
ところが、恋愛モノとして見ても、これが全然ダメだった。
まったく感情が揺さぶられない。
主人公であるところの二郎にまったく感情移入できない、理解できない。

これに関しては庵野秀明の素人演技にも問題があるとしか思えない。
感情があまり波立たない、物事に動じないキャラだ、というのはわかる。
だったらなおさらその「波立たない感情」という感情の機微を演じ、表現することのできる技術のある役者に任せるべきだったのではないのか。
菜穂子に相対してしゃべっている時も、他の人としゃべっている時もまったく同じ、なんてありえるワケ無い、あれはただ台本を読んでいるだけというようにしか見えない。
おかげで、恋愛、色恋ものとして見てても、まったく気持ちが乗らない、冷めてしまった。

そんなわけで、まったくこの作品を楽しむことが出来なかった。

ただ、長年宮崎作品を追い続けて、宮崎駿本人のインタビューや対談を読んだりして、その人となりなどを知っている身で見れば、この作品に監督自身が主人公に自分を重ねているんだな、というのはよく分かる。
公開前に宮崎駿が「自分の映画で初めて泣いた」と告白していたが、その言葉の深意が、映画を観終えて理解できた。
過去どの作品でも宮崎駿は、観客、特に子供のためのエンターテイメント、「漫画映画」を作ることを自分に課してきた。
しかし「風立ちぬ」は初めて宮崎駿が自分自身のためだけに作った映画だったのではないだろうか。
エンターテイメントであることも、「漫画映画」であることも捨てて。

だから自分は初めて宮崎駿の作品を「つまらない」と思ったのだろう。


かつて自分は十代の最も多感な時期にほぼリアルタイムでナウシカ、ラピュタ、トトロという傑作を目の当たりにして、宮崎駿のことを神のごとく崇拝していた頃がありました。
そしてその宮崎駿の語るアニメでもアニメーションでもない「漫画映画」というものに感銘を受け、心酔していました。
もののけ姫以降、晩年に向かって宮崎駿の作品は少しづつ変化し、かつて自分が心酔した「漫画映画」を宮崎駿自身が再び作ることはないだろう、と諦めつつも、ポニョにはぞの兆しをまだ見ることができた。
しかし「風立ちぬ」ははっきりと「漫画映画」ではない映画を志向している。
宮崎駿が、漫画映画を捨てること、それは少なくとも自分にとっての宮崎駿の、自分が愛した宮崎駿の終焉を意味している。
もし、この作品がほんとうに最後になったとしても自分は驚かないだろうな、と思います。



追記

これも自分には全く響かなかったことなのだけれど、創作に関わる人達からの評価、共感の感想が多く聞こえてくることも合わせると、この映画が創作を志すものへの宮崎駿の「遺言」でも、あるのかもしれないなあ、などと思ってしまいました。


追記2

友人がtwitterあげた感想とそれに対する私とのやりとり、せっかくなのでトゥギャりました
http://togetter.com/li/544674

2013/07/16

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている 感想

アニメ全話視聴後、原作7巻まで読んでの総評です。

ちなみにラノベ原作で、アニメ終わった後に原作まで読むのは、自分としては割りと珍しいというか、滅多にないことだったりします。
それくらい、これが気に入った、というか気になった作品だったということであります。

そんなわけで、どの辺が気に入って気になったか、ということを明らかにしつつ感想いってみたいと思います。

始まって1話のみでの印象としては、
また長ったらしいタイトルのラノベものかー、学園モノで、よくわからん部活で、ハーレムラブコメなんでしょ、ヒロインはクール系Sキャラって某作の某の亜流?
くらいの冷めた見かたしかしてませんでした。

唯一引っかかったのは、主人公の比企谷八幡が、ぼっちでやたらと皮肉屋だったという点。
その一点に妙に親近感を感じてなんとなく見続けた結果、最初の印象からイメージした作品とは、別物であることに、すぐ気づくことになる。

この作品、要は、スクールカーストがテーマになっているんだ、という事がわかってくると、その印象は180度代わってしまった。
そして、本当にいつまでたってもいわゆる「青春ラブコメ」にならない。
そもそも主人公の八幡は、中学時代の数々の痛々しい失敗から、強固な意志を持って、女子から話かけられたり、優しくされてもそれは、「勘違い」であり「期待してはいけない」と鉄のガードを敷いているのだから、ラブコメになりようがない。
そもそもラブコメ以前に友達がいない、ぼっちだ。
だからといって、友達を欲しているわけでもなく、ぼっちであることに引け目をや劣等感を持っているわけでもない、いや持っていたとしても己のプライドを守るために、屁理屈を弄して、自らを正当化してしまう。
そして何より面白いのは、この卑屈で諦念にまみれた主人公の八幡のダークヒーロー、アンチヒーローとも言えるヒールっぷりにある。

生徒のお悩み解決を請け負う奉仕部の活動にに半ば無理やり参加させられた八幡が、そこに持ち込まれる様々な問題を解決することになるのだが、その解決策が、正論、正道から外れたやり方で決して他人から誉められるようなやり方にならず、時として自分自身を傷つけ、自らがヒール役になることも厭わないのだ。
なに、やだかっこいい///

八幡の周りを固めるキャラも、スクールカースト上位にいながら、周りの空気を読んで合わせてしまう由比ヶ浜、成績優秀眉目秀麗であるがゆえにその性格から周囲から孤立してしまう雪ノ下、厨二病の材木座、スクールカースト最上位ので真のイケメン葉山など、それぞそれスクールカーストの違うものあるいは似て異なる者が入り乱れる。
おおよそ普通の学園ラブコメとは違う、それぞれのキャラの立ち位置、物の考え方、見え方の差異によって生まれるドラマ、関係性が面白い。
何より、主人公八幡のぼっちであるがゆえの卑屈さ、正論の隙を突く屁理屈、世間一般的には決して正しいとはいえないものの考え方が心地いい。
有り体に言ってしまえば、自分の中高時代に、世の中の欺瞞に満ちた正論に対する反発、嫌悪感など抱えていたどろどろしたものと、八幡が抱えているものがなんか似通っていて、共感してしまう所が多すぎて、困ってしまうのだ。

ラノベのしかもアニメ化作品でこういうものが出てきたことに、ちょっと驚きを感じたとともに、ジャンルの深化があってこそ世に出れた作品でもあるのかなあ、と思ったりして、以外な作品との出会いが出来てちょっと嬉しくなりました。

そんなかんじで、タイトルで避けてしまった人やなんとなくイメージで見なかった人がいたら再チャレンジしてみてはいかがかと思います。



それはさておき、もう一つこの作品を見ていて、個人的に気になったのが八幡と葉山の関係。

最初の段階で、クラスの中心、スクールカースト最上位である葉山から、最底辺の八幡は、存在しないに等しかった。たぶんテニスで対決した後でもほぼ認識されてなかったはず。
それが林間学校のボランティアの件と文化祭の件を通して、次第に八幡の存在を認知し、無視できない存在になっていく過程が面白かった。
葉山からすると、八幡の存在、考え方は異質であり、自分とは違う、自分にはないものを持っているのではないかと、気になって仕方がなく、理解したいという感情と同時に、相容れない肯定したくないという感情もあり、複雑な思いを抱いているのではないかと見える。
本来なら交わることのない、スクールカーストの最上位と最底辺、それこそ生存戦略、価値観の違う二人が出会い、交わり、さあ、ここから二人は対立し、反駁しあうのか?
といった所で、アニメは終わってしまう。
続きが気になるじゃないですか、やだー

そして、こうなると、腐った脳の一部が八幡×葉山のカップリング妄想を始めて止まらなくなる。
はちはやありだな、と。

そんなわけで気になって原作も読んでしまったわけだけど、アニメ版ではかなりさらっと流されていたが、葉山と雪ノ下の間には小学生時代、何らかの事件があり、葉山はそれを今も気にしている、
といったことが匂わされていて、やや複雑な様子。
あとアニメでは、いまひとつピンとこなかった、三浦を中心とした由比ヶ浜、腐女子の海老名さんの三人の女子グループがなぜああいう構成で、成り立っているのかとか、アニメ版では細部で抜け落ちてしまった部分が補完できたり、かなり端折られてしまっている材木座の活躍が読めたり、戸塚への八幡の思いがやばくて面白かったりと、原作読んで見てよかったと思います。
まあ、アニメの1話見て台詞の多さから、小説で呼んだほうが絶対面白いだろうなーとは思っていましたが。

というわけで、なんかめずらしくラノベ作品で当たりを引けてラッキーな感じ。
続きが楽しみです。




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2013/06/03

言の葉の庭 感想

新海誠監督の最新作ということで見て参りました。
基本、新海監督の過去作品は概ね見ている上での感想となります。


まず端的に結論から

好き嫌いは別にしてとてもよかった。
作品としてはあまりケチのつけどころが見当たらないくらい、きれいにまとまっていた。
唯一難癖を付けるなら、新海作品として、極まっている分、保守的で冒険がない、といったくらい。

です。

内容的には、完全に恋愛物で、過去作品から引き継いだテーマの繰り返し、語り直しなんだけど、キャラの設定と配置が、年齢差、立場の差のある男女の関係の物語に置き換えられて、余計な要素が削り落とされた分、無理なく、シンプルに、解りやすくなっている。
シナリオ的にも起承転結がはっきりしていて、短編映画として綺麗にまとまっている。
脚本にやや難ありと思っていた過去作と比べても、ここは飛躍的に良くなっているのではないかと思います。
恋愛物としても、社会に出て躓いた大人の女性と、夢を追いかけながらも迷いを持つ高校生の男の子の関係を描いていて、デートムービーとしてもほぼ完璧なんじゃね、という作り。

短歌、足フェチ、靴、雨、都会とその中にある不釣り合いなくらいに緑あふれる公園のあずま屋、例によって叙情的で執拗な情景、風景描写、これらの織り成すエロティシズム、ロマンティシズムにあふれた映像美は、新海誠の真骨頂で、極まっている。
新海作品としてはぐうのねも出ない、出来なのではないかと思います。

だからこそ逆に冒険しているところがない、守りに入った作り、と感じてしまった。
なのでその分あんまりこの映画で語ることがない、と言えばないという。
まあ前作の星を追う子どもがけっこう冒険してたので、今回はまあ安心して新海誠監督のいいとこ全部見れたという意味で、悪くはなかったのかなあ、と。


同時上映の短編もよかったです。
こっちも社会に出て躓いた女性が主人公の話で、本編と合わせて見ててムズムズするモチーフなんですが。


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劇場版聖☆おにいさん 感想

見にいたのがだいぶ前になってしまったのですが、今更感想です。


実は、先にネットで、宗教ネタがカットされてるという話題をまとめサイトで見てしまって、えー、と思って見に行く気力が半減していました。

で、見に行くかちょっと。迷っていたのですが、見に行った友人が話を聞いたら全然そんなことはなかったと、言われ、あれ?となって自分の目で確かめないとわからん!となったため勢いで見たのですよ。

んで、見に行った結果、わかったこと。

宗教ネタカットは、デマでした
少なくとも原作コミック3巻くらいまでに使われてるネタは、大体拾っていた。
ちなみに自分は、原作半分くらいまでしか読んでないので、映画の内容はほぼ自分の知ってる聖おにいさんだったです。

原作が進むと出てくる新キャラや宗教ネタがない、ということがどうやら「宗教ネタカット」として広まったみたいです。



で、見てきた結果、見る前に触れたネガティブな感想や反応に反して、自分の中ではものすごく好評価、周りの評判に惑わされず見に行って良かった、と思いました。

映画の中身自体はもうほとんどイエスとブッダがいちゃいちゃしながら日本の庶民の日常をエンジョイしているのをひたすら丹念に、ほのぼのと描いていくだけなんだけど、その絵作りや演出が非情に映画的に良く出来ていて、自分の好みで、うはうは。
まあこれに関しては、監督がアイドルマスターの高雄統子、チーフ演出・絵コンテとして自分が信奉する神戸守が参加してた時点で、演出面は見る前から安定だなと思ってたのだけれど。

ギャグも滑ることなく、きっちり間で笑わせる事ができていたのも良かった(自分が見た回では観客から終始笑いが起こって、とてもいい雰囲気だった)

といった感じで意外と満足度は高かったです。


2013/05/14

劇場版シュタインズ・ゲート負荷領域のデジャヴ 感想

遅ればせながら地元の映画館でも上映開始したのでいって参りました。


自分もそうだけど、シュタゲの感想は、ネタばれ覚悟の上か、視聴済みで無ければ絶対見ないものものだと判断の上、特にネタばれに関しては気にせず感想書きます

さてでは、簡単に今回の劇場版の印象をまとめると

紅莉栖が主役で紅莉栖が可愛かった、紅莉栖好きにはたまらない映画だった!
でも、全体ではやや物足りない感が残った

といった感じでしょうか

完全新作のストーリーで、けっこう複雑で綺麗に終わっている本編シナリオに矛盾なく繋がるアフターストーリを構築して、本編の物語、キャラを補完、掘り下げをするという、結構な難易度の高いことをやっている割には、これがしっかりとできていてそこには全く不満がない分、その枷からどうしても物語のスケールがこじんまりとまとまってしまって、そこはやや物足りなかった。

岡部が経験した時間漂流を、今度は紅莉栖が体験することになり、改めて岡部の辿った時間漂流の苛烈さ残酷さを見るものに思い起こさせ、紅莉栖が岡部と同じ道を辿るのか否かという緊張感のなかで、紅莉栖の岡部への思い、岡部の紅莉栖への思いがTVシリーズのシーンと重なりあって、記憶を呼び起こさせ、それが、ボディーブローの様に要所要所で効きまくって、涙腺を刺激してくるところは、本当によくできてたと思う。
ただそれだけにというかシュタインズ・ゲートという作品だけにその解決策が、その程度でいいの、と思うくらいやや、あっさりしていたというかひねりが足りなかったのがこの作品に対する、最大の不満点というか物足りなさでは、あるのだけれど、それ以外は概ね満足といったところです。

TVシリーズ、ゲーム本編からの補完として、シュタインズ・ゲート世界線に到達したことで、岡部と紅莉栖の関係は一度完全にリセットされ、紅莉栖の岡部に対する感情もまたリセットされている。その上での、その後の二人の関係はどうなってしまうのか、というのがずっともやもやとして、気になりつつ妄想のタネとしてついてまわっていたのが、今回そこに答えがでたのも良かった。
特に自分としては、紅莉栖と岡部のいちゃいちゃが本編通して好きだったので、その関係を取り戻して、また二人がいちゃいちゃな関係に戻れたのを見れてよかったなあと。

岡部がシュタイインズゲート世界に定着できずにR世界に跳んでしまうのも、ある意味では他の世界線での紅莉栖との記憶に対する岡部の未練が引き起こしたものだったと考えると合点がいくし、そうならないために紅莉栖が強烈な記憶を岡部に埋め込みに行くというのもなるほどと思えて、ここもよく出来ていた。
ただその方法が、どう見ても、ショタオカリンが痴女にいきなりキスされただけ、というのが、なんというか、ね、うん、まあ強烈な記憶だけどさ!w

あと鈴羽の登場が、映画本編の中だけでは、はて?なんでこの子はタイムマシンに乗ってまでこの時代にやってきて、しかもあったこともない、存在もしていない岡部のことを知っているんだろうと疑問が残った。
この点を一緒に見にいいた友人たちと話した結果、きっと紅莉栖が岡部のことを話しつつ、鈴羽に作ったタイムマシンを見せつつ「いい、絶対つかっちゃダメよ、絶対ダメだからね」と繰り返していたんじゃないか、という結論に達した。
タイムマシンを前に、うじうじといなくなったオトコのノロケを聞かされ、こうすれば岡部を取り戻せるという計画まで全て立て、それでも自分は絶対に過去を改変しないからね!と鈴羽に念を押す。
タイムマシンに「OR204」とか未練タラタラでオトコの名前をつけときながら、絶対使うなとか、如何にもやってくれと言わんばかりに、フラグを立ててくる。
「このおばさんいい加減ウザい」と思って鈴羽はタイムマシンで過去に飛んだんじゃないのかと。
そりゃ、鈴羽的には、紅莉栖を一発ひっぱたかないと気がすまなかっただろうな、と。
紅莉栖自身も。鈴羽がタイムマシンで来ることしってて、過去改変をすることを踏ん切れない自分を鈴羽に背中おしてもらいたくてやったことなのだろうなあ、と

この話を先に映画を見た別の友人にも話してみたら、ほぼ同じ結論に達していて笑った。
ほぼこれが正解なんじゃないかと思えるくらい解釈に矛盾がないように思えるんですが、どうでしょう。


さて楽しかったシュタインズ・ゲートもそろそろこれで弾を出し尽くしたかなあ、という感じでしょうか。
まだ、やってやれないこともない気はするけれど、これ以上は蛇足感も否めないので難しいところかなあ。
次の展開は、あるのか、ないのか・・・

とりあえず、まだ新作ゲームはやってないので、それをそのうちやってみたい所です。
あと完全新作ストーリーの小説版↓が、面白いのでこれはオススメです。



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2013/03/26

祝☆魔法少女リリカルなのはTHE MOVIE 3rd Reflection 製作決定!

つい先日行われたリリカルパーティV二日目に参加して参りました!
リリパ自体イベントも超楽しかったのですが、今回はそちらの感想はひとまず置いておいて
ついに発表になった映画第三弾について語っとこうと思います。

リリパ初日に明らかになった映画第三弾の製作決定の速報に続いて二日目発表になった映画のタイトルは


「魔法少女リリカルなのはTHE MOVIE 3rd Reflection」

StSでもなくゲーム版でもなく、全くの完全新作ストーリーであることが明らかに!
ただし、物語がどの時期のものになるか、といったことは今のところ不明とか

ついに待ち望んだ新作ストーリー!!!
いやあ、なんだかんだで長かったわー
漫画でForceやvividがあったとはいえ、完全新作のストーリーでのアニメは実際のことStS以降作ってないわけですからねえ
しかも映画の第三弾、3rdという位置づけ、2ndのエピローグからやはり小学生編から中学生編を期待してしまいます。

個人的には以前も書きましたが、なのはメインのなのはを掘り下げる物語を描いて欲しいという願望が強いです。
今回付いたタイトル「Reflection」の意味を調べてみると、影響、投影といった意味から熟考、内省、意見、考え、といった意味もあるらしい(参照 http://ejje.weblio.jp/content/reflection
願望100%で解釈して想像すると、1stのプレシアテスタロッサ事件、2ndの闇の書事件を通してなのは自身の考えやその後の生き方にどんな影響を与えるに至ったのか、みたいな内容だったら、いいなあ、とか思っています。

とはいえ。現状で公開時期が未定、一週間前に会議で決定したと三嶋Pの発言からして、本当に制作が決まっただけで、おそらく都築さんの中での構想のみで脚本もあがってないのではないかと思われる。内容に関しては本当にまだまだこれからなのかもしれない。
そうなると、過去のペースから言って映画公開は下手をすると3年は先、ということも十分ありうるかもしれない。
そう考えると先の長い話になりそうではあるなあ、と
ともあれ、来年でアニメ化から10周年さらにその先までプロジェクトが続くことが、確定したということでもあるので、喜ばしい限りではあります。

そういえば今回映画第三弾の発表とは別に、ゲーム新作やvivid、Foce関連、あるいはソシャゲ関連で新情報、発表が来るかもと予想していたけど、そんなことはなかったぜ
3rdまでだいぶ間がありそうだから、その間のつなぎになにかありそうな気はするんですけどねえ・・・

2013/02/08

2013冬期アニメ雑感

一通り見て継続作品もほぼ固まったのでざっくり感想です。


・ビビッドレッドオペレーション

スト魔女の高村監督の変身美少女バトルもの、ということで、期待値も高く今期もっとも楽しみな作品!
と言いたいところなんだけど、3、4話と進むにつれて、脚本がやや大味で、不満を感じる部分もちらほら。でこちゅーキマシドッキングという美味しい要素をもうちょっと活かせる展開というか、もっていきかたができるともっとよくなるのになあと思わずにはいられない。
なんとか後半巻き返したいただきたいところ

・ラブライブ

アイマスが好きなので、1話2話と、どうしても類似作品として身構えてみてしまっていたんだけど、3話のライブの回が予想以上に良くて、これなら大丈夫かと思えた。
基本的にアイドルものすきだからなあ
とはいえこの作品で、キャラや歌に思い入れが出来るかどうかはまだ謎、できたらできたでそれはそれで困るんだけど。

・琴浦さん

今期のダークホースと名高い本作、確かに1話は良かった。
でもこれって物語が1話で終わってね?と思ってしまった。
あと、テレパス能力者の悲劇、救済をコメディをまじえて描くというのが、自分にはどうにもしっくりこないというのと、同ネタのテレパスもののあれやこれやなつっこみがいろいろめぐりめぐって、どうしてももやもやを拭いきれなかったりするのです。
いや、不幸なの女の子が幸せになる話は好きなんだけれどねえ

・俺の幼なじみと彼女が修羅場すぎる

ゆかりんアニメ、ゆかりんが出てなければ、ちょっときついかなあ、と
2話までは軽いコメディかと思ったら、3話がちょい重くて、うーん
幼なじみがかわいそすぎる。
彼女たるゆかりんのキャラは複雑なものを抱えてて興味は持てるのだけど

・まおゆう

コンプエース版で漫画読んでる。好きなシーンがあるのでそこはちゃんとアニメでも見たいなあと

・ちはやふる2

超安定

・みなみけ ただいま

こっちらも安定。マコちゃんは特別として、藤岡とか保坂とか男キャラがなんか、可愛く感じるようになってきたのは気のせいだろうか。

・僕は友達が少ないNEXT

前期に続いてなんとなく見てしまう。残念なひとたちをみてると和む。

・ヤマノススメ

ショートアニメじゃなくて30枠で見たかったなあ、山うんちくたくさんのせて

ぷちます!

実は原作1巻だけ買って、「うん、二次創作としては、あんま好みじゃないな」とスルーしてたんだけど、声がついてアニメになると1.5次創作くらいになって、条件反射で楽しめてしまうもんだなあ、という感じ。
あとショートアニメで毎日見れるのは、配信スタイルとしては結構いいかもしれない。


といったところで今期たのしめそうなところはこんなとこでしょうか。
ちなみにたまこまーけっとはまだ見てない

2013/01/07

2012年まとめ 其ノ貮 劇場編

ということで2012劇場アニメまとめです。


見たものだけ列挙

ももへの手紙
虹色ほたる
グスコーブドリの伝記
おおかみこどもの雨と雪
エヴァQ
BLOOD-C The Last Dark
ストライクウィッチーズ
プリキュアオールスターズ NewStage みらいのともだち
ドラえもん のび太と奇跡の島
魔法少女リリカルなのは2ndA's

今年の劇場作品の多さ、多様さは特筆すべきものがあっと思います。
しかし、年の後半、資金が尽きて。まどかまぎか、タイバニ、009、伏、ねらわれた学園、など関心はあっても観に行く事の出来なかった作品が多々あって悔やまれる。
逆説的に劇場に足を運ぶには、強いモチベーションが必要だなあと改めて実感。
本数が増えればその分、選択の幅も増える分、選ばれない作品も増えるわけで、興行の明暗も大きくなっていくのではないかなあと。

だからこそ、2012年のNo1は、なのは2ndA'sなのです。
劇場で見た回数と泣いた回数なら自分史上最高です。
モチベーションを見に行った回数で換算するなら他の15倍、他の劇場作品を観に行く資金を1作品で食いつぶしましたから!
今年の劇場アニメの現状についてアニメ識者さんたちによる話題の中心は、エヴァQだったりおおかみこどもだったり、あるいはもも、虹色ほたる、まどかマギカだったりするでしょうからそちらに譲るとして、どうせ、なのは2ndA'sなんて歯牙にもかけられてないか、別枠扱いなのでしょう、見てないけど。

現状の深夜系アニメの劇場化の流れをつくったのは2010年のハルヒ、Fate、なのは1stの三作の成功が起因していることは、おそらく間違いない。
特に必ずしも大ヒットしているわけではない、なのはの成功を見れば、「ウチでも儲けられるんじゃね?」と思う所が後から出てくることは無理からぬ事。
スト魔女、まどか☆マギカやタイバニなんかもこの流れがなければ、劇場化はなかったかもしれない。
ただそういった深夜系の劇場化が、なのはほど期待した数字を出せたかどうか、そしてビジネスとして今後続くかどうかは、実際の数値を見ていないので、一概には言えないし、まだ未知数ではあるので、ここでは結論めいたことは一応避けるけれど、その結果の影響は、また何年か後に出てくるのかなと。
ただ、少なくとも決してトップに立つことがないのに、常に数字と結果を出し続けるリリカルなのはというコンテンツの現状、特殊性はもう少し、論じられてもいいのではないのかなあと思う次第です。

2012年まとめ 其の壱 TV編

あけおめということで、新年ですが、2012年のまとめをまだしてないので、やります。

まずTVシリーズで、本年開始作品で印象に残ったもの

シンフォギア
あの夏で待ってる
咲 阿知賀編
モーレツ海賊
ヨルムンガンド
人類は衰退しました
ココロコネクト
DOGDAYS’
ガールズ&パンツアー
武装神姫
ジャイロゼッター
アイカツ
マギ

今年は、なんか少ないなあ、全話みてることを前提にしているので余計に絞られてしまう。
全話見ずにつまみ食い程度に見ているものを含めると、見たアニメの数はもう少し増えるんだけれど

全話見ていない=自分の中で興味関心度が低い=重要ではない

だからなあ。

そういう意味で、ゆるゆりとかじょしらくあたりは決して印象に残ってないわけではないけど、最近の無理しない視聴スタイルから優先度が下がって結局見ずに放置になってしまうものが、増えてしまうという。

最近、アニメをあんまりたくさん見すぎてしまい、かつ作品本数も多いせいか、頭の数話を見て、作品の傾向を把握し、大体この作品はこういうタイプで、おおよその面白さの上限を勝手に予測して枠をきめてしまい、この作品にのめり込むことはまずないから、別にこれは見なくてもいいかなあ、と最初から決めつけてしまう、という、あまり良くない傾向にちょっとある。
ある程度好きなジャンルの作品でも、見続けた結果、予測の枠を越えないと、回をおうごとに興味関心は薄くなってしまい、そのまま見なくなてしまうってこともある。

そんな中で、2012年でやはり一番特筆すべき作品がシンフォギアなのだ。

シンフォギアは、美少女バトルアクションモノというジャンルの作品で、実のところ、作品の枠、傾向が予測しやすい、普通にやっていたら、好きなジャンルだし、まあ普通に面白かったかな程度で終わっていた作品だったかもしれない。
ところが、シンフォギアはセオリーを無視して一話からとばしていく為、予測が効かない、面白さの質、上限が枠にはめられない為、作品への興味関心が回をおうごとに強まっていくという、他とは真逆の視聴体験をする結果になったという点においても、他作品とは全く違うポジションにあったといえよう。

もうひとつ、シンフォギアににめり込む要因は、好きなジャンルでありながら実のところ、今のアニメ全体の本数の割合で見ればマイナーで、かつ熱いストーリーという稀有な存在であるってことも重要だったりする。
リリカルなのはにハマって以降、リリカルなのはフォローの作品を望む気持ちが強いのだけれど、ストライクウィッチーズ、まどかマギカなど影響下にあるなあ、と思う作品はあるにはあるけれど、圧倒的にその数が少ないなかで、ようやくこれだ!と思えるものがでてきたな、と

それと、ガルパンだけど、当初、日常モノに近いかと思っていたら予想以上に戦闘もメインで面白く、部活モノ的ではあるけど、熱血なストーリーになっててこれもいい意味で予測を超えてきた。
これから始まる、ヴィヴィッドレッドオペレーションもそうだけど、ラノベ、漫画原作では一番出づらいジャンルが、この美少女メカモノ、美少女アクションモノで、それが少ないながらもオリジナル系として健闘を見せつつあるのは、嬉しいし期待したい。

やっぱり、いま自分が見たいものは美少女、バトル、熱血、友情(百合)なんですよ。

まあそんなわけで、いろいろな意味で、2012年においてシンフォギアは特別過ぎたのでした。